はなかげ おとかげ

日本画家・書家 足立正平のブログです。

命名書

2013年02月04日 | 過去のBlog記事
昨年12月に友人夫妻に子供が生まれ、命名書を書いてほしいと頼まれた。
兄のような友人。
二つ返事で引き受け、出産祝いとして贈ることにした。

薄い画仙紙に揮毫し、裏打ちをして届けたところ、先日「額装が出来たよ」と画像を送ってくれた。

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恵麻ちゃん。
命名書だからなるべく余計な味付けはしないことにした。
彩るのは恵麻ちゃん自身だから・・

とまれ、印刷とは違い肉筆の字には言霊ならぬ字霊(じだま?)が宿るはず。
僭越ながら僕なりの願いも込めて・・・
健康、笑顔。温もり。
力は内に秘め、「遊び」も忘れずに・・


昔、唐の鍾紹京(ショウショウケイ)という人の字を勉強した事があるが、たとえばその時感じたあの温度、筆触、が、イメージとして頭には浮かんでいた・・・

出来栄えやいかに・・


俵万智さんの短歌に「勝手に赤い 畑のトマト」という一節があったと思うが、他人である自分が願うまでもなく、素敵なご両親の愛情をたっぷりと浴びて鮮やかな「恵麻ちゃん色」に色づくことでしょう・・



下の写真。
左が「恵」
上部を括った袋の形。ものを入れて引き締める、戒める意に使われてたようだが、のちに「めぐむ」意味に定着した。
右は「麻」
木の部分はもともと麻の皮を剥いでいる形。
「广」は宮廟。神事で使われる麻の事。
麻は繊維が強いから選ばれたのだろうか・・日本でも神事に使う白香は麻の繊維を裂いたものだ。
そういえば現存する最古の「紙」(紀元前100年あたり)も麻紙だったな・・




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