古民家での制作の日々
庭にある老梅
もう幹が半分枯れているようにも見えるが、残された幹から身をよじるように伸ばした枝ぶりが好きだ。
サクラ切るバカ梅切らぬバカ・・
という言葉は母が教えてくれたが、この老木の場合は枝を掃わない姿が美しいと思う。
たった一つ、先んじて花を咲かせた。
まもなく他のつぼみも後を追うだろう。
梅のほか、大きなツバキもあるがこちらはやや盛りを過ぎた感じ・・
それでもまだこれから咲くツボミも多い。
制作の合間に眺めては、目を楽しませている。
花が咲く。
「咲」という字、これはもともと「笑」の異体字。
だから当然「わらう」とも読む。
「笑」は古い時代の字が伝わっていないが、原義の通りに理解すると
こんなかたちだったと思う。
巫女が両手をあげて神を楽しませる神事。
「笑」の省略された形に「口」が足されて「咲」となった。
日本では笑う時に口もとをほころばせる様子を、花の開花にたとえて「咲く」意味で使うようになった。
中国では、、
辞書を引いてみたがやはり「咲」は「笑」と同字、としか出ていない。
「笑う」と「咲く」を結びつけた感性に、僕は「日本」を感じる。