はなかげ おとかげ

日本画家・書家 足立正平のブログです。

「笑う」と「咲く」

2010年01月30日 | 過去のBlog記事

古民家での制作の日々

庭にある老梅

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もう幹が半分枯れているようにも見えるが、残された幹から身をよじるように伸ばした枝ぶりが好きだ。

サクラ切るバカ梅切らぬバカ・・

という言葉は母が教えてくれたが、この老木の場合は枝を掃わない姿が美しいと思う。

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たった一つ、先んじて花を咲かせた。

まもなく他のつぼみも後を追うだろう。

梅のほか、大きなツバキもあるがこちらはやや盛りを過ぎた感じ・・

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それでもまだこれから咲くツボミも多い。

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制作の合間に眺めては、目を楽しませている。

花が咲く。

「咲」という字、これはもともと「笑」の異体字。

だから当然「わらう」とも読む。

「笑」は古い時代の字が伝わっていないが、原義の通りに理解するとPhoto_5

こんなかたちだったと思う。

巫女が両手をあげて神を楽しませる神事。

「笑」の省略された形に「口」が足されて「咲」となった。

日本では笑う時に口もとをほころばせる様子を、花の開花にたとえて「咲く」意味で使うようになった。

中国では、、

辞書を引いてみたがやはり「咲」は「笑」と同字、としか出ていない。

「笑う」と「咲く」を結びつけた感性に、僕は「日本」を感じる。



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