はなかげ おとかげ

日本画家・書家 足立正平のブログです。

展示報告

2011年12月09日 | お知らせ(展覧会)

遅ればせながら、10月に鎌倉のギャラリーカフェ「ジャック&豆の木」で開催した個展の報告です。




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今回のタイトルは「おとづれ」とした。

「おと」をテーマにした水墨の連作である。

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「おとづれ -澄-」  

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「おとづれ -幽-」 と 「万葉 赤人歌」

今回いくつか万葉の歌を添えた。

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千年以上も前の人間が、どのような意図をもって、

どのような状況で、これを書いたのかは知らないし、今の僕にわかるはずはないと思っている。

ただ、これを読んだときに聞こえる「おと」がある。

その「おと」は、きっと言葉で理解するよりも正しいんだと思う。

僕が現在、墨で取り組んでテーマは、たとえるならそんな「おと」だ。

「音」という字は神の声を聞くこと。

神聖な神の声は、視覚が不自由な暗い所で耳を澄まさなければ聞こえない。

「闇」という字に「音」がある所以・・・

色や形といった網では掬いきれないなにか大切な「おと」、を、

無限に広がる墨の諧調は掬いうるのではないかと思う。

12月19日から、京橋の「アートスペース羅針盤」でも内容をボリュームアップさせた個展を行います。ぜひお越しください。