はなかげ おとかげ

日本画家・書家 足立正平のブログです。

荻原井泉水

2018年05月10日 | 日記
毎年この時期に塔婆を書いている某寺の境内に、荻原井泉水の句碑がある。


見る處(ところ) 花にあらずという事なし

空はこれ花 大いなる朝を開く
この花と 一期一会のわたくしと
花 たかだかとあり 夏なるかな
微笑、老妻 この花を求めて帰る


親友の墓参にここをおとづれた際に詠んだ句らしい。この碑によって井泉水を知り、いくつか作品も書いた。門下から種田山頭火、尾崎放哉が出ており、そちらばかりが注目されるが、指導的立場にあった彼の功績ももっと評価されるべきだと思う。この気負いのない洒脱な筆致に、毎年心を洗われる。



水はうつくし 水の音 聞けば笙の音
随分前に書いた井泉水の句。
涼やかで好きな句だ。
円形のものと2つ書いたが、手元にあるこちらはなんとなく家の長押に引っ掛けてある、、

そろそろ五月の連休を世間並みに過ごそうと思ったが、今年もろくに休めずに過ぎてしまった。