全19回にわたってご紹介してきた、12月議会の代表質問要旨も今回が最終回です。
自画自賛するようですが、今回の質問は、提言が具現化されるもの、近い将来への布石、
また政治的意味合いの要素も含めてなかなか濃密な内容に仕上がり、なおかつかなり良い回答がでています。
令和2年の集大成だと思って長文ですがまた読み返していただけると幸いです。
この最後の質問となる信号機関連の質問も、県内の信号機設置の現状や新たな交通安全対策も
知っていただける内容になっていますので、ぜひご参考としていただければ幸いです。
質問要旨
我々県議会議員が日常の地域活動をするなかで、警察関連のご要望をいただく上位にはほぼまちがいなく「信号機の設置要望」があると思います。しかしながら静岡県は東西に広く、交通の要衝である東海道のど真ん中に位置することもあり、全国10位の6,854基の信号機があり、新規の設置が認められづらい状況にあります。また、既存の信号機の維持管理コストも莫大であり、予算のおよそ半分が信号機の電気料や回線料などの稼働費に要しており、さらには、信号機のLED化は大きく遅れており、全国46位でもあります。
このような状況下で、静岡県の交通安全対策を考えたときに、信号機に代わる安全対策として「ゾーン30」や「ハンプ」「シケイン」「自発光標識」「カラー舗装」「ラウンドアバウト」などの道路管理者は知っていても、一般県民のみなさまにはなじみがない方策の認知度を高めたり、交通安全=信号機設置だけではないということを、警察官自ら県民の中に出掛けて行って、説明しご理解協力を求めるべきだと思います。
また、ICT技術を活用した安全施設の設置についても取り組みは緒に就いたばかりではありますが、静岡県の高度な技術を持つ民間企業などとも連携してさらなる研究開発および展開を進めていただきたいと考えます。
さらには、超高齢化時代に突入した日本では、高齢の歩行者が増え、高齢者ドライバーが増えることで、さらに交通事故は増加することが予想されますので、道路管理者や運輸業界等とも連携し、各種安全対策を周知して効果的な対策を講じていくこと、新たな技術を取り入れた安全施設の整備も必要であると考えます。
警察本部長の見解を伺います。
<答弁内容> 答弁者 警察本部長
信号機に頼らない交通安全対策についてお答えいたします。
県警察では、厳しい財政の下、長期的視野に立った信号機整備の在り方を検討するため、有識者や交通関係機関・団体、地域住民を委員とする「持続可能な信号機の整備の在り方に関する検討会」を開催し、先般、報告書を取りまとめたところであります。
報告書では、信号灯器のLED化等によるコスト縮減の取組のほか、必要性が低減した信号機は代替安全対策を講じた上で撤去していくことも重要な取組のひとつとされております。こうした代替安全対策として、自発光式等の視認性に優れた道路標識等による一時停止規制の実施、道路管理者と連携したカラー舗装、ハンプ等の施工などに取り組んでおります。
報告書においても警察自らが代替安全対策を説明する立場にあると提言されており、警察署交通規制審議会をはじめ、各種会議、会合等において県民に周知するほか、必要に応じ、地域住民を交えた説明会や現場点検を実施し、交通実態に応じた安全対策を地域住民や関係機関と一体となって検討する中で、信号機に代わる安全対策の認知度も高めていきたいと考えております。
また、ICT技術を活用した交通安全施設の設置につきましては、現在、警察庁や総務省が主導する「5Gネットワークの構築に交通信号機を活用するための調査研究」に県警察も参画しております。この調査研究は、交通管制の高度化等に向け、交通信号機のネットワーク化に5Gを活用するものであり、通信キャリアや県内の交通管制システムメーカー等と共に協力しているところであります。
県警察としましては、今後とも関係機関等と連携し、あらゆる機会を通じて信号機に代わる安全対策の周知を図っていくほか、新たな技術を活用した交通安全施設の整備等を検討するなど、交通の安全を確保しつつ、持続可能な信号機の整備を実現するための取組を推進していきたいと考えております。