9月議会本会議一般質問⑥警察官の県単独予算による増員の必要性について

2021年10月10日 | Weblog

〈質問要旨〉

本年度は東京2020オリパラ自転車競技の開催に伴う警備業務、そして7月3日に発生した

熱海土石流災害の救出作業など、県警の負担は相当重かったと拝察する。

この難局を持ち前の正・強・仁の精神で政令基準の警察官定数でこなしてきたことには

敬意を表するが、いまや47都道府県のなかで警察官定数に都道府県単独予算を用いて

警察官の増員をおこなっていないのは本県を含めて5県のみである。

この際、県単独予算での増員をおこなうべきと考えますが、県警本部長にその必要性を問う。

 

<答弁内容>

警察官の県単独予算による増員の必要性について、お答えいたします。

議員御指摘のとおり、多くの都道府県警察においては、地域の治安情勢を勘案の上、条例において政令基準を超える

警察官定数を定めておりますが、本県では、政令基準に従って、同数の6,195人とされているところであります。

本年4月現在の警察官の一人当たりの負担人口を見ますと、本県は全国平均を約100人上回る597人となっており、

全国で8番目に負担が大きくなっております。

こうした中、先月5日に閉幕した東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の警備は、聖火リレーを含め

約2か月半に及ぶ大規模なものであり、県下の警察官の約3割がこの警備に直接従事しました。

また、時を同じくして熱海市伊豆山において発生した土石流災害では、本県警察官延べ約19,000人が従事して

おりますが、この間、各警察署で後方治安に当たった警察官も含め、多くの職員が、負担を分かち合い取り組んできた

ところであります。

今後も、南海トラフ地震や富士山の噴火、台風や集中豪雨といった自然災害など、緊急的な治安事象に迅速・的確に

対応できる体制は、常に確保しておく必要があります。

また、今後、本県で開催され得るG7サミットなどの国際会議や国民体育大会を始めとしたスポーツ競技大会など、

国を挙げての様々な大規模イベントに、確実に対応していく必要があります。

県警察では、今後とも、国に対して警察官の増員の必要性を訴えるとともに、日々変化する治安情勢を総合的に勘案し、

県内の治安を確保するため、政令基準を超える警察官定数を条例で定めることの必要性についても検討してまいりたいと

考えております。

 


9月本会議一般質問⑤県立天竜総合高校への介護福祉科の新設とマイスターハイスクールの導入について

2021年10月09日 | Weblog

質問要旨

7月に厚生労働省が、2040年度には介護職員が280万人必要と

なる推計を発表した。これを静岡県に置き換えると、最新の資料では

約1万8千人も足らない。

その対策として、9月補正予算案の中の「福祉系高校修学資金貸付

事業費制度」については大いに評価するが、具現化を求めたいのは、

浜松市からも要望が上がっている「県立天竜高校への介護福祉学科の

新設」である。

県内には、東中西に一校ずつ介護福祉学科を設置する公立高校がある。

西部の磐田北高校の本年度入試倍率は1.05倍であるが、本年度

1,000人を超す定員割れを起こした公立高校の中では悪くない

数字であり、ニーズを感じられ、浜松市からの要望は理にかなって

いると考える。

また、天竜高校には総合学科福祉系列がある上に、設備は十分であり、

近隣の複数の福祉施設によるバックアップ体制も恵まれている。

確保が難しい福祉系教員の代わりとしては、文部科学省の

「マイスター・ハイスクール」事業を同時に推進すれば解決可能だと

感じている。

以上の観点から、天竜高校への介護福祉学科設置とマイスター・ハイ

スクール制度の導入支援についての所見を教育委員会に伺う。

 また、才徳兼備の人づくり小委員会がとりまとめた報告書では

「地域を見据えた人材育成の必要性」と「地域の実情に応じた魅力

ある学校づくりの必要性」が課題とされ、さらに「地域ならではの

新しい価値を創造し地域を支える人材を育成するために、地域の

将来像や地域が求める教育等を十分踏まえる必要がある」との提言を

受けている。まさに天竜高校のことを謳った提言のようだが、

これも踏まえ、真摯な答弁を求める。

<答弁内容> 木苗教育長

 県立天竜高校への介護福祉学科の新設とマイスター・ハイスクール制度導入についてお答えいたします。

本県では、介護福祉士試験の受験資格を得ることができる福祉科を県内の東部・中部・西部の3校に設置しており、

令和3年度募集定員の合計は全国で3番目に多くなっております。また、天竜高校など8校で、

訪問介護などの介護業務が可能となるカリキュラムを設けております。

しかしながら、多くの生徒は多様な進路が選択可能な学科を志願する傾向があり、

福祉科は磐田北高校で令和3年度入試では定員を満たしたものの、近年、定員割れが生じております。

また、総合学科を有する天竜高校でも、福祉系列の選択者は少なく、卒業後も福祉関係に進む生徒は限られております。

 ただし県教育委員会といたしましても、高齢社会に対応した福祉人材養成の必要性を認識しているところであり、

高校における福祉の学びの魅力化に取り組むことが重要であると考えております。

こうした中、浜松市から天竜高校への介護福祉学科新設の要望を頂いたところであります。

このため、健康福祉部と連携し、天竜高校における福祉系列の選択者増加に向けて、福祉の魅力を伝える出前講座の

更なる活用に取り組んでまいります。また、令和4年度入学生から教科「福祉」の科目数を増やすとともに、

地元の社会福祉施設との連携を強化して実習を一層充実し、福祉の仕事に対するやりがいを伝えてまいります。

 なお、次世代地域産業人材を育成する「マイスター・ハイスクール」事業につきましては、

来年度全国で15か所の採択が予定されております。現在、浜松市から工業分野での提案を頂き、県、市、産業界及び

導入候補校において申請に向けた準備を進めているところであり、この事業の継続と採択枠の拡大についても注視してまいります。

 天竜高校への介護福祉学科の新設につきましては、天竜地域をはじめとする西部地域全体の福祉分野への志望動向を見極める

とともに、天竜高校が今まで以上に地域の期待に応えられるよう、地域づくりや産業振興に関するビジョンなどを伺いながら、

高校長期計画の改定作業の中において、さらに議論を重ねてまいります。

 


9月議会本会議一般質問④地域公共交通計画の策定について

2021年10月08日 | Weblog

質問要旨

2020年の地域公共交通活性化再生法改正により、地方公共団体に

よる「地域公共交通計画」の策定が努力義務化された。

 そこで、地域公共交通が確保され、かつ利便性も高い欧州を参考に

すべきと考える。フランスでは「交通権」という概念で公共性を明確

にし、コンセッション契約というかたちで半官半民でのサービス提供

を行なっている。ドイツでは、交通サービスは福祉サービス同様の

「生存配慮」として、公営事業者が直接サービスを行っている。

 さらに、欧州では交通政策の地域主権も進展しており、

オーストリアでは、概ね州単位で「運輸連合」というさまざまな

公共交通の連合体をつくり、域内の公共交通のサービスの均一化、

利便性の向上、整合性の確保などが行われ、質の高い公共交通が

提供されている。 

 このように、地方主権的観点から静岡県は率先して公共交通の質を

守るために公的支援の拡充や県民の利便性を高める新システムの導入

促進を図るための「静岡県地域公共交通計画」を策定し、国に公共

交通のありかたを率先して提言し、かつ権限委譲と財源移譲を求めて

ゆくべきと考えるが、御所見を伺う。

<答弁内容>  難波副知事

地域公共交通計画の策定についてお答えいたします。

鉄道、バスなどの公共交通は、県民の皆様の日常生活を支える重要な社会インフラです。

しかしながら、少子高齢化の進展や人口減少による利用者の減少、運転手不足の深刻化、さらに、コロナ禍の影響など、

交通事業者の経営は大変厳しくなっており、路線の維持、確保が全国的な課題になっております。

これまで県では、交通事業者や市町への支援を行うとともに、市町毎に設置した公共交通会議において、

地域の実情に応じた交通サービスが提供されるよう課題解決に努めてまいりました。

これはこれで大変大事なことですけれども、今後はこの取組だけでは、不十分です。

昨年、地域公共交通活性化再生法が改正され、県や市町に「地域公共交通計画」を策定することを規定しています。

この背景には、これまでの延長上で、部分最適、短期的最適を考える取組では、真の問題解決にならないという

認識があるからだと思います。県も同じ認識であり、大きな危機感を持っています。

よって、静岡県全体の地域公共交通の目指す姿を描き、その実現を示す「地域公共交通計画」を定めることといたしました。

策定にあたりましては、これまでの路線維持に軸足を置いた取組から転換し、新しい公共交通サービスの在り方を考える

必要があります。従来の公共交通サービスに加え、スクールバスや福祉輸送など地域の多様な輸送資源も含め、

住民の皆様にとって、より利便性の高く、持続可能な交通サービスを提供できるようにすることもその一つです。

また、脱炭素化の観点やMaaS(サービスとしての移動)の推進、急速に進展する自動運転や小型モビリティの活用、

シェアリングビジネスなどを考慮して、将来の姿を描くことが必要です。

検討にあたりましては、交通事業者だけではなく、多様な方々の参加を得て協議会を設置して行います。

権限委譲や財源移譲を含む公共交通のあるべき姿などにつきましては、この協議会において幅広く御意見を伺いながら

検討を進めてまいります。

 県といたしましては、県民の利便性を高める新システムの導入など、地域公共交通の未来像を描き、共有し、

その実現に向けて、多様な主体、多様な皆様と共同で取り組んでまいります。

 

【再質問】 

質問要旨

公的関与を強めるべきということを申し上げたつもりだが、

副知事から御答弁があった、いわゆる現状維持のための計画では

なくて、よりよい利便性の高い新しい可能性に挑戦する攻めの公共

交通計画を創るんだということはとてもいいと思う。

ただ、それは公的関与がある程度されないと難しいところがあり、

民間任せだけではできないところだと思うが、そこについての考えを

もう一度伺う。

<答弁内容> 答弁者 難波副知事

地域公共交通計画の策定についての再質問にお答えいたします。

 公的関与の部分でございますが、これまではどちらかと言うと採算が厳しい路線に対しての維持という形で、

運行費補助みたいな形で取り組んでまいりましたが、これから地域公共交通計画を策定するにあたりましては、

全く新しい考え方に基づいてやっていかなければいけないと思っておりますので、当然のことながら、

公的関与の考え方につきましても、しっかり見直していかなければいけないと考えております。

ただし、公的関与につきましては、県民の皆様のご理解も当然必要となってまいりますので、

先ほど委員からご紹介のありましたヨーロッパ等の事例も踏まえまして、色々な方の御意見を聞きながら

しっかり検討してまいりたいと思っております。


9月本会議質問③ICOI(いこい)プロジェクトについて

2021年10月07日 | Weblog

 

質問要旨

 ICOIプロジェクトは、いままでの「温泉=観光」という

固定概念ではない「温泉+α」の志向で組み立てることを大前提とし、

温泉の効能によるヘルスケアと、伊豆半島のまちづくりも含めた

ウェルネス的要素をベースにプロジェクトを構築していくべきである。

ウェルネスとは、ヘルスよりも広範な概念で、カラダの健康だけでは

なく前向きに生きられるココロの健康やライフスタイルの確立、

そして社会的にも良好な状態をめざすことだが、これを全部まちづくり

やひとづくりも含めて伊豆半島で「温泉」を基軸にやってしまおうと

いう提案である。

 まずは伊豆の温泉と効能を知るために、温泉医学に取り組む研究者、

医師、関係団体を一同に介した円卓会議を設置すること。

また、ジオパークは富士山と伊豆半島の成り立ちと温泉が生まれる

仕組みを学べる絶好の学習の場でもあり、人材育成もできる。

さらに、ワーケーション、移住先としての魅力は、首都圏との近接性

というストロングポイントがあり、伊豆の魅力と可能性は枚挙に

いとまがない。

 ぜひ具現化させ、あこがれの伊豆半島をつくるという希望と夢を

描きながら、知事のご所見を伺う。

<答弁内容>

 ICOIプロジェクト、このICOIというのは、Izu Health Care Onsen Innovation の頭文字を

取ったものでございますが、このICOIプロジェクトについての御質問にお答えいたします。

 本県は、2,000以上の源泉が分布する国内屈指の温泉地であります。特に伊豆地域は、

川端康成あるいは井上靖などの文豪が名作を執筆した宿のある歴史的温泉地としての側面も有しております。

また、ジオパークに代表される豊かな自然環境や多彩な食材、最近では、スポーツの聖地としての

魅力も加わるなど、国内外の人々を惹きつける多彩な地域資源に恵まれている点が、伊豆地域の強みであります。

 これまで県では、人が持つ治癒力を最大限に引き出す湯治法と、地元の食材を使った健康食、運動を組み合わせた、

健康増進と癒やしのサービスを提供する「かかりつけ湯」の取組などを進めてまいりました。

今回、立ち上げる「ICOIプロジェクト」は、これらに加え、伊豆の多彩な資源を温泉でつなぎ合わせ、

ヘルスケアという観点で再構築することで、伊豆地域に新しい産業を生み出していくものであります。

まずは、最新の科学と技術を活用し、温泉の効能、効果を再評価し、ヘルスケア分野への応用を図ってまいります。

スポーツ医学、スポーツ科学という用語がございますように、温泉科学、温泉医学という概念があってもいいと思います。

この温泉医学の権威、矢野一行先生は既に埼玉名誉教授として引退されていますが、伊東にお住まいでございます。

こうした先生もいらっしゃるし、東海大学に関心のある先生もいらっしゃるということなので、議員の御提案の

温泉医学研究所のようなものがつくられることは可能であり、つくれると思います。

そうしたことで、温泉入浴による健康状態の変化や疲労回復度など、個人の健康データをITデバイス等により取得し、

また解析し、科学的根拠に基づいた健康増進プログラムを官民が一体となって作り上げていくことができると、

いわゆるウェルネスというものを目指すことができると思います。

 また、宿泊施設や観光施設などと連携して、長期滞在が可能となる受入体制を構築するとともに、

健康増進を切り口とした温泉地ならではのワーケーションプランを開発することで、健康経営に取り組む企業の需要を

掘り起し、首都圏ICT企業などの集積を目指してまいりたいと考えております。

 さらに、東京2020オリンピック・パラリンピックの会場となった伊豆ベロドロームなどで合宿を行う

自転車選手などの協力を得て、アスリートの運動機能の回復、向上への可能性など、スポーツ科学の知見を生かした

温泉の効能に関するメカニズムの探索にも取り組みたいと考えております。

 こうした取組を進めるためには、その担い手が必要です。

温泉施設や大学、伊豆半島ジオパーク推進協議会等と連携した専門人材の確保、また育成のほか、

学生や地域住民を対象とした、学びの場の創出にも努めてまいりたいと考えております。

今後、有識者や伊豆地域の市町、関係団体などで構成する協議会で、御意見を伺い、

温泉を核にして健康をキーワードとした新しい価値の創出に取り組むことで、

世界の人々の憧れの対象となる伊豆地域の魅力を更に高めてまいりたいと考えております。


9月議会本会議一般質問②食の都構想のグランドデザインについて

2021年10月06日 | Weblog

質問要旨

「食の都」構想について、今まで打ち出してきた食に関する施策も

盛り込みつつ、「食の都のカタチ」がわかる全体的な構想を作ること

を提言する。

構想の土台として、静岡県の誇る農林水産品と風光明媚な県土を

活かした、食と観光と文化と産業をセットとした「ガストロノミー

ツーリズム」を提案する。

ロールモデルはスペインのサンセバスチャン。

このまちに世界中の美食家が集まるには訳がある。

世界初の「料理」の学位、博士号が取得できる大学があり、

一流の料理人が集まり、学生が集まり、お客が集まる、という

プラススパイラルが生まれている

本県は、温暖で風光明媚な県土と一流で多彩な食材や、

フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクトも活かし、

県立大学と文化芸術大学を核に、料理をアカデミックに権威付け、

ブランディング化により、国内外の一流料理人の拠点づくりを志向

すべき。仕事人によるダイニング企画や郷土食をベースとした

ヌーベルキュイジーヌの創出、美食列車やレストランバスを

走らせるなど、様々な可能性がある。

概念図と戦略的な設計図があってこそ、具現化していくものと

考えるが、食の都づくりの全体構想、グランドデザインの策定の

提案について、所見を伺う。

<答弁内容>

食の都のグランドデザインについてお答えいたします。

 本県が推進する「食の都」づくりは、県内で採れた多彩で魅力ある農芸品を、

地域で、おいしくいただく食文化を創造し、国内外の人々を惹きつける食を核とした

地域づくりの構想であります。

 この構想の実現に向け、県では「しずおか食セレクション」の認定を通じて

県産食材のブランド化を図るとともに、食文化の発展に貢献する

「ふじのくに食の都づくり仕事人」に、こうした食材を料理の中に積極的に取り込んで

いただく様々な取組を進めております。

 また、今年度からは、食を目当てに観光客が訪れるまちづくりを推進するため、

「美食のまちやいづ」など、県内3地域での生産者や料理人などの取組への支援も

開始したところであります。

 このように、食の都づくりとして、人材の育成や食育、産業振興、情報発信等の施策を

進めているところですが、更なる充実を図るためには、これらを結び付け、

食の都づくりとしてのシナジー効果を発揮できる、地域全体の活性化戦略が必要と

考えております。

 議員から御紹介をいただきましたガストロノミーツーリズムは、

旅行を通して、食文化そのものを味わうという概念であり、現在では世界に広がり、

国内でも新潟県や奈良県などが取組を始めております。

特にサンセバスチャンは、ミシュラン星付けのレストランが集まる、世界屈指の美食の町として

知られており、料理人の育成を専門とする大学の運営など、本県でも大いに参考になるものと

考えております。

 県といたしましては、こうした動きを参考に、地域の魅力ある食文化を磨き上げて

効果的に発信することにより、国内外から多くの人々が、本県の食文化を味わいに訪れる

「食の都」のグランドデザインづくりを進めてまいります。

 

再質問

グランドデザインを、誰がどう描くのか伺う。

また、大学や料理関係者との話し合いをしていくつもりがあるのか伺う。

<答弁内容>

食の都のグランドデザインの再質問についてでございます。

 まず、第1点目、誰がどう描いていくかというご質問でございますが、

私どもが考えておりますのは、県庁内に、庁内の検討組織を立ち上げていきたいと考えております。

具体的には私ども経済産業部と、スポーツ・文化観光部、これを中心にまずは県庁内で立ち上げて、

それをベースに実際に事業をやっていただく方々にも加わっていただくと、こういうことを考えております。

 2点目に、大学や料理人と意見交換をするか、ということでございますが

、議員から御指摘をいただきましたように、観光分野では、静岡県立大学や静岡文化芸術大学もございます。

それから、農産物の生産という観点では、静岡県立農林環境専門職大学がございますので、

こういった皆さんとも意見交換をしていきたいというふうに考えております。

料理につきましては、これも議員から御紹介をいただきましたように、本県には、食の都づくり仕事人が

500人超いらっしゃいます。そういった方々が実際に事業に関わっていただけると思っておりますので、

こうした方々とも意見交換をしたいと考えております。


9月議会本会議質問①サーキュラーエコノミーとレイクハマナ未来都市構想について

2021年10月05日 | Weblog

 

質問要旨

県西部の輸送機器産業を中心としたものづくり産業はいま、

「製造現場からの脱炭素化をいかにはかるか」という世界共通の重い

課題に直面している。しかし、これはものづくりの2次産業だけの

問題ではなく、すべての産業が協働してサーキュラーエコノミーの

循環型共生圏をつくることを目指さねばならない。

 そこでモデルとして紹介するのが、デンマークのカルンボー市で

ある。ここでは、企業間の廃棄物を資源として融通し有効活用する

「産業共生モデル」を構築している。このモデルには大企業だけ

でなく、地場の中小企業やスタートアップ企業が参加しており、

オープンイノベーションの実践がここで成されている。

 しかし、レイクハマナ未来都市構想において、このカルンボー型

モデルを形成し、サーキュラーエコノミーの循環のループをつくろう

とすると、いくつかのボトルネックがあることに気がつく。

 まずは、すべてのリサイクルの確立が必要だということである。

リサイクルの美名に隠れて不適切な処理が行われないよう法的には

廃棄物処理法があり、そのなかでも確実にリサイクルできる技術や

体制が整ったものから、順次「自動車リサイクル法」のように

特別法のカタチをとって独立させているのだが、現在ある特別法の

ものだけでは不足で、せっかくさまざまなリサイクル技術が確立

されてきても、法律が追いついていなければ、多くの廃棄物を

有価物にすることはできない。

 また、既存の工業団地にリサイクル業を組み込み、工業団地内での

サーキュラーエコノミーをつくることがまずは現実的であると考える

が、これにも壁があり、建築基準法51条で都市計画区域に産業廃棄物

処理施設を設置するには都市計画審議会に諮る必要がある。

 これらの課題に取り組み、日本のサーキュラーエコノミーのモデル

になり得る「レイクハマナ未来都市構想」をいかに具体的に描くか

所見を伺う。

<答弁内容> 天野政策担当部長

サーキュラーエコノミーと「レイクハマナ未来都市構想」についてお答えいたします。

地球規模の気候変動に対応するため、世界は脱炭素社会に向け、大きく舵を切りました。

深刻化する地球環境の問題は、エネルギーや環境問題にとどまらず、国際的な産業競争力に

関わる経済問題となっており、その解決の「鍵」を握るのが、環境と経済が調和する

社会を目指す「地域循環共生圏」とされております。

レイクハマナ未来都市構想は、県西部地域に「地域循環共生圏」を形成しようと

するものであります。この地域は、我が国有数の「ものづくり産業」の集積地域であり、

脱炭素やリサイクルを意識した取組が極めて重要であります。

製造、生産を担う動脈産業と、そこから排出される廃棄物をきれいにして再び循環させる

静脈産業が一体化した工業エリアをつくっていく必要があります。

換言すれば、「循環経済」(サーキュラーエコノミー)の実現を目指すものでありますが、

そこから更なる成長へと飛躍していくためには、技術革新が不可欠であり、

産学官金の密接な連携が求められます。議員御指摘の、デンマーク、カルンボー市の、

企業間の廃棄物を資源として融通し有効活用する「産業共生モデル」も、

行政主導というより、自治体もパートナーの一人として、長い年月にわたる地域ぐるみの

持続的・内発的な取組の賜物とされています。

このため、県では、例えば、工業技術研究所が県内企業と共同開発した食物残さから

新たなエネルギーを生み出す小型実証プラントの食品製造現場への実装や、

大学や企業が連携して進める資源循環型のエネルギー創出事業への助成支援などに

取り組んでいるところであります。

一方、議員御指摘のとおり、レイクハマナ未来都市構想において、

カルンボー市型の、比較的規模の大きい循環経済モデルを構築しようとすると、

廃棄物処理に係る法令等の様々な制約に直面することとなります。

このため、くらし・環境部など関係部局と連携しながら、経済団体、関連企業などの

御意見を伺いつつ課題の整理を行い、必要とあれば、法令の改正などを含め、

国に対して要望してまいります。

県といたしましては、バックキャスティングの視点から、

「レイクハマナ未来都市構想」に「地域循環共生圏の形成」に向けた具体的な

取組の方向性を盛り込み、官民が、隘路となる課題の共有を図ることで、

脱炭素・循環型社会の実現を目指す道筋を明らかにしてまいります。

 

再質問

レイクハマナ未来都市構想を推し進める際の課題ははっきりしているものの、この課題に対して、誰がやるのか、また、チームを作ったりしてやっていくのかが不明瞭である。

どのようなお考えをお持ちなのかを伺う。

<答弁内容> 天野政策担当部長

レイクハマナ未来都市構想における産業廃棄物処理等の課題に対するチーム編成等に

ついてお答えします。

 実際に、法令上の問題にかかわるところがございます。

そうしますと、廃棄物処理法等の法令に精通いたしましたくらし・環境部はもとより、

先ほど少し例をお示ししましたけれども、食物残渣をメタ発酵させてエネルギーを

作るというところが、今、工業技術研究所と県内企業4社で作り上げてきたものを、

いよいよ5月に協同組合を発足させまして、自走化に向けて売り込みにかかっている

ところであります。

 そういった例もございまして、ここには技術革新と先ほど申し上げましたが、

循環経済を更に飛躍させるには技術革新、それを国頼りにするのではなくて、

県の公設試、民間企業の研究機関が一緒になって取り組む必要がありますので、

経済産業部等もこのチームに入ってくると思っております。

 更に、ものづくり産業が集積した浜松地域でまずやるこの未来都市構想は、

その成果を全県展開していく必要があると思っております。

工業エリアは浜松地域だけではございません。中部、東部、伊豆にもですね、

その成果を全県展開させていくためには、政策推進局を中心とする部局も入りまして、

それを広く全県に横展開できるような調整も必要かと思っております。

 議員御指摘のとおり、この問題をバックキャスティングの視点で、

必ず次の世代、次の世代にですね、実現できるようにチームを組んで

取り組んでまいりたいと思っております。

 

 


9月議会 本会議一般質問

2021年10月04日 | Weblog

本日、9月議会本会議にて一般質問に登壇いたしました。

2年間会派代表を務めさせていただいたので、2年間は会派としての代表質問に

登壇しておりましたので、議員個人の政策提言や県施策への質問をおこなう

一般質問への登壇は3年ぶりと言うことになります。

今回は、かなり濃密な内容になっていますので、明日からその質疑の概要を

掲載してゆきますので、ぜひご一読くださいませ。

(かなり長文になると思いますが・・・)

 

今回の一般質問の項目は下記の通りです。

1 サーキュラーエコノミーとレイクハマナ未来都市構想について

2 食の都のグランドデザインについて

3 ICOI プロジェクト(Izu Health  Care Onsen Innovation Project)について

4 地域公共交通計画の策定について

5 県立天竜高校への介護福祉学科の新設とマイスター・ハイスクール制度導入について

6 県費による警察官定数の加増について