今年も終戦記念日を迎えました。
戦後77年。
戦没者追悼式に参列し、英霊の御霊の安らかならんことを祈る今日でありました。
『あの戦争は遠くなりにけり。しかし平和を希求する思いは変わらない』
「なぜ戦争などするのだ。我々のような遺族を増やすだけだ』
という、絞り出すようなご遺族の言葉に、胸が締め付けられる思いでいっぱいになった今日でもありました。
ウクライナにおける戦争は長期化の様相を帯びています。
ウクライナにとっては、やりたくてやっている戦争ではないことは明白です。
では、なぜ世界はあの戦争を止められないのか。
苦々しい思いも胸をよぎる。
いまの世界を支配する国際政治の理論を、アメリカの政治学者ジョン・ジョセフ・ミアシャイマーは
「攻撃的現実主義(オフェンシブ・リアリズム)」と呼んでいる。
これは恐ろしいほど的確であると私は思っています。
わかりやすく言うと、
「危険な世界のなかで国家が生き残ろうとするには、それぞれがパワーを求めて競い合うしか選択肢はない」
という、「攻撃は最大の防御」「国を守るためには力を持つしかない」という、恐ろしいまでの弱肉強食の論理である。
だが、悲しいかなこれが現実であることは、国際政治を学んできた者にとっては否定できない事実である。
この理論に基づけば、中国の台湾侵略というシナリオも現実味があることを覚悟しなければならない。
隣国には北朝鮮もいる。
日本は内政で混乱している余裕はないのでは、と国政担当者やジャーナリズムのみなさまには申し上げたい。
いまはいかに外交に取り組むか。日本が世界のなかで果たすべき役割はなにか。
それを明確にし、世界平和のための外交を展開すること。
アメリカにも、内政の混乱、分断を治め、世界平和の秩序回復に努めることを働きかけること。
中国には、アジアの隣人としてアジア諸国とともに、「世界のリーダーのひとりにならんとされよ」と説くこと。
悲しくむなしい戦争の歴史を人類は何度繰り返したことか。
これを繰り返さないために、微力ではあるが努力を続けてゆきたいと誓う、今日8月15日です。
最後にひとつだけ。
静岡県のおこなっている地域外交は、微力でもこんな国際社会のなかには必ず必要なことであるんだ、
ということは強調しておきたいと思います。