黒猫のつぶやき

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横浜ベイスターズは再生できるのか?

2010-12-10 23:07:19 | プロ野球
 3年連続で最下位となり,一時は身売り騒動まで起きた今年の横浜ベイスターズですが,ニュースに下記のような記事が流れていました。

ベイ橋本が“言いたい放題”! 球団惨状を猛批判も…戦犯?(夕刊フジ) - goo ニュース

 昨年ロッテからFAで横浜に移籍した橋本将捕手は,相川のヤクルト移籍で正捕手不在となった横浜を立て直すために,正捕手候補として横浜に入団した選手ですが,実際にはあまりの盗塁阻止率の低さから,先発出場はわずか38試合にとどまり,打率も2割4分6厘と振るわず,横浜が今年も最下位となった「戦犯」の一人でもあります。
 結局,今年の横浜で捕手として一番出番が多かったのは,生え抜きの武山真吾捕手ですが,この選手も今年は打率2割ちょっとで,守備に対する評価も低いです(今年の試合ではありませんが,以前黒猫が観戦に行ったヤクルト対横浜戦では,横浜の捕手が武山選手で,ヤクルトの飯原選手が1試合3盗塁を決めたことがあります)。
 はっきり言って,現状の対横浜戦は,他のチームにとっては盗塁天国です。
 その橋本捕手が,約1時間に及ぶ契約更改の場で,「ベンチの雰囲気がいいとは感じなかった。試合中にベンチにいる選手が少ない」などと,延々とチームに対する苦言と提言を繰り広げ,球団側も一応粛々と耳を傾けたということですが,そういう雰囲気を立て直すことが,チームのキャプテンたる捕手の役割ではないかという気もします。
 もっとも,最近の横浜はチーム内部での分裂が激しく,一昨年に横浜の正捕手だった相川選手がFAでヤクルトに移籍してきたのも,そういう背後の事情があったと聞いています。そのおかげで,ヤクルトは正捕手不在の状況から脱することができたわけですが,今年の横浜は,橋本選手のほかスレッジ(元日本ハム),清水直行(元ロッテ)といった実績のある選手を獲得して,大幅な補強に乗り出したにもかかわらず,結果は相変わらずの最下位でした。
 もっとも,各選手の個人成績を見ると,藤田選手や新外国人のカスティーヨなど期待以上の成績を挙げた選手もおり,なぜ最下位に終わったのか理解に苦しむところもあるのですが,原因としてはやはり守備がズタズタで,チームの士気が低く連携も成っていないという点にあるのでしょうね。
 そして,横浜の主力選手である内川選手はFA権を行使して,来年からソフトバンクに移籍することが決まっており,西武の細川選手獲得にも失敗しました(ソフトバンクに取られました)。
 一方,日本ハムから外野手の森本選手を獲得したものの,彼は俊足と守備には定評があるものの打撃はいまいちで,今年大不振に終わった金城選手や吉村選手が来期復調した場合,おそらく彼の出番はほとんどないでしょう。

 今年はヤクルトも,一時は最下位に低迷して,高田監督が休養という形で事実上引責辞任することになりましたが,指揮が小川監督代行になってからは不思議と調子を取り戻し,最終的には4位に終わったものの,勝敗成績は5割を若干上回るところまで行きました。
 これに対して横浜は,監督やコーチが入れ替わっているにもかかわらず,ここ数年悪い雰囲気から抜け出せない状況に陥っています。その様は,まさに病人が苦しみのあまり姿勢を変え続けるのに似て,毎年のように総理大臣が代わりながら苦境から一向に抜け出せない日本政府の現状とも似ています。こういう組織状況は,一体何が原因で生まれるのか興味深いところです。
 橋本選手の言うには,「こんなチームもあったのかと感じた。ありえないことが当たり前になっていた。勝てないのだから,変えないといけない。チームとしてどうしたらいいのかを言わせてもらった」ということですが,あるいはチーム自体ではなくその経営陣に問題があるのかも知れません。
 横浜の経営陣(実質的にはTBS)は,住生活グループへの身売りこそ破談に終わったものの,未だに身売りの可能性は否定しておらず,また住生活グループへの身売りが破談に終わったのも,「事情を知らない横浜の経営陣が勝手な発言ばかりするから,まとまる話もまとまらなかった」というのが原因らしいです。
 横浜ベイスターズについては,監督や選手よりむしろ経営陣を入れ替えないと,来期また最下位に終わってしまうどころか,シーズン100敗といった(発足初年度の楽天をも下回る)不名誉な記録を作ってしまうかもしれません。

<補 足> 各チームの捕手事情
・中日 谷繁選手が正捕手として健在。ただし,今年で40歳に達するなど既に高齢で,代わりになりそうな若手選手も育っていないので,近い将来谷繁選手が抜けた場合,中日は急激に弱体化するおそれがある。
・阪神 今年は城島選手が大活躍したが,彼は手術のため来期開幕は絶望的。その穴埋めのため,急遽楽天の藤井選手を獲得したりしているが,彼が城島選手の穴を埋められるとは思われず,来年正捕手不在という状況に陥れば,阪神は急激に弱体化するおそれがある。
・読売 生え抜きの阿部選手が,本塁打数では城島選手を上回るほどの活躍を見せている。ただ,怪我で戦列を離脱するシーズンも多く,特に近年は右肩に不安を抱えている。来期彼が故障したら,読売は大変なことになるだろう。
・東京ヤクルト 相川選手が正捕手としてほぼ定着。控えは川本選手,若手の中村選手などが有力である。
・広島 正捕手の石原選手が,今年はFA権を行使せず残留と決まった。控えには倉選手もいるため,特に不安はない。
・横浜 前述のとおり,正捕手不在の悲惨な状況にあり,改善の見通しも立っていない。

・ソフトバンク 昨年田上選手が26本塁打を記録し,正捕手の座に納まったかに見えたが,今年は一転して大不振に終わり,正捕手不在の状況に戻ってしまった。FAで細川選手を獲得したものの,彼も今年は打率2割を切るなど打撃成績は期待できないため,捕手については相変わらず不安を抱えている。
・西武 細川選手の移籍により,正捕手不在はかなり深刻な状況となった。正捕手候補として期待されていた銀仁選手も思うように育っておらず,来期は低迷するかもしれない。
・ロッテ 正捕手は里崎選手だが,彼が故障したときに,代わりを務められそうな選手はいない。今年シーズン成績3位ながら日本一という「史上最大の下克上」になったのも,シーズン中に里崎選手が戦列を離脱し,ポストシーズンでは彼が正捕手として活躍したという点に原因があるような気がする。
・日本ハム 鶴岡選手と大野選手が正捕手の座を争っている(高橋選手は事実上一塁手に転向)。ただし,二人とも打撃面は期待できないため,チャンス時には代打が必要になる。
・オリックス 長年正捕手であった日高選手の出場機会が減り,正捕手不在に近い状況となっている。
・楽天 嶋選手が今期打率3割1分5厘を記録しており,正捕手としてほぼ定着。代わりになりそうな選手はいない。

 こうして見ると,捕手不足は全体的にパ・リーグの方が深刻である。特に石原選手は,ロッテ・楽天以外の4球団(横浜を入れれば5球団)ともに欲しがりそうな人材であり,資金不足の広島がFA権行使を阻止できたのはむしろ不思議である。

1 コメント

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Unknown (レオ)
2010-12-12 18:47:34
パリーグは畑違いのようですね。
西武というチームは、名前だけ大きくなって実力が下降気味になった選手を放出し、致命的な穴が空く前に次の選手を育てることで、常に上位を保ってきたのですよ。
細川が来年いてもフルシーズン働くことはもう不可能です。全盛期の力はもうありません。
なぜ球団が細川を積極的に引き留めなかったのか。
伊東がいなくなったあと3人で正捕手を競わせ、残ったのが細川です。
今回は、銀二朗、上本、岳野+αで競わせるでしょう。こうやって常に上位を維持してきたのです。
細川の穴をふさぐ選手が本当に出てこないと思っています?
ロッテ、オリックスもちゃんと有望株がいますよ。
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