黒猫のつぶやき

法科大学院問題やその他の法律問題,資格,時事問題などについて日々つぶやいています。かなりの辛口ブログです。

事実認定の採点方法

2005-11-29 18:44:16 | 司法(平成17年)
 法学セミナー12月号の記事『法曹資格試験のあり方』について,braveさんのブログで「意味不明なのでパスします」と書かれていた部分を読んでみました。
 黒猫は,上記「意味不明」と書かれていたのを,「法科大学院生には理解できないほど複雑で高度なことが書かれている」ものと理解し,期待を込めて読んでみたのですが,実際はむしろ「馬鹿」と言った方が的確な表現だと思います。

 該当部分は,braveさんのブログ(↓)
http://blog.livedoor.jp/you136/
の引用部分の続きで,以下のように書かれています。

「この問題の解決方法はおそらく法科大学院における評価を利用することであろう。私自身は法科大学院において未修者しか教育してきていないが,それでもこれまで1年半12単位の講義を担当した経験からいえば,学生の成績は明らかに階層(ほぼ富士山型)をなし,優劣をつけられる。したがって選抜において十分参考にできる。大学による差異,科目による差異もあるが,誰もが履修する基本科目の成績は信頼できる。法科大学院ではよくできたが,試験ではだめという場合,問題は文句なく試験のほうにある。法科大学院の設立の趣旨の,点ではなくプロセス重視というのはまさに,試験より法科大学院における成績がはるかに当てになることをいうものである。」

 何というか,つっこみどころがありすぎてどこから手を着けたらよいか分からなくなるほどですが,要するにこの記事の筆者は,同一の試験問題について司法試験考査委員会で綿密に採点基準が定められ,考査委員による厳格な採点が行われている司法試験より,各大学院毎にカリキュラムもレベルもまちまちで,評価基準や評価方法も担当教授個人の大幅な裁量に委ねられている法科大学院の成績の方が「あるかに当てになる」と主張しているわけです。
 黒猫のオリジナルの事務所には,球みたいに顔の丸い男性事務員がおり,その顔で自分のことを「福山雅治に似てるだろ」と主張しています。黒猫は,世の中にこれほど厚顔無恥な奴はいないと思っていましたが,さすが世の中は広い,上には上がいるようです。
 採点した結果,学生の成績分布が富士山型になったところで,それによって何ら評価の公正性が示されるわけではないという当然のことも理解できないような人間が法科大学院の教授をやっていると思うと,頭が痛くなります。