ひさしぶりに法曹養成関係の記事を書いてみます。
司法研修所の修習では、民事裁判・刑事裁判・検察・民事弁護・刑事弁護の5科目がメインとなることは、法曹関係者であればいちいち説明する必要はないと思いますが、修習の現場では、各科目で習ったことをごっちゃにしてしまう修習生がいるみたいなんですね。
黒猫の司法修習時代にも、起案の講評の際にモードの切り替えをきちんとやれと言っていた教官がいました。
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コメント欄から寄せられた情報に、二回試験の合格率について「必要な政治活動は行っていく」と述べた法科大学院教授がいるというものがありましたが、一言で感想を述べると、それはかなり難しいのではないかなあという気がします。
新司法試験の合格者数は、法科大学院サイドが法務省に圧力をかけた結果、当初の新試験約800人、旧試験800人という構想が変更され、新試験約900~1100人(実際には1009人)、 . . . 本文を読む
落合先生のブログ経由で、このような記事を見つけました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061012i201.htm?from=main2
これによると、来年以降の二回試験では追試を廃止し、合格基準に達しない修習生は直ちに修習生としての身分を失い、法曹資格を取得するには翌年の二回試験を受験するしかない、ということになるそうです。さらに、再試 . . . 本文を読む
最近の黒猫の記事が、法務省から発表されている論文試験の合格基準点の数字に依拠していることについて、いろいろとご批判があるようですが、平成14年度から公表されているこの合格基準点は、今のところ論文試験の合格レベルの推移を客観的に見ることの出来る唯一の資料であり、わざわざ法務省が公表している以上、100%信用できるとまでは断言できないものの、それなりに意味のある数字であると考えています。
某コメン . . . 本文を読む
本日,旧司法試験論文式試験の合格発表があったので,法務省のホームページで合格者数と合格基準点を調べてみました。すると出てきた数字は,
合格者数 542人
合格基準点 133.75点
・・・・・・。
黒猫の予想では,合格率が大幅に低下した分,合格ラインは平成17年度より大幅に上がると考えていたのですが,この数字を見ると,平成17年度より1点しか上がっていませんでした。黒猫の予想大外れ。
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今年の二回試験では、去年の約3倍にあたる計107人が落第したというニュースは記憶に新しいところですが、それでは来年の二回試験では果たして何人くらい落ちることになるか、ということを考えていたところ、恐ろしい想像が浮かんできました。
1 旧試験60期(以下、「旧60期」)
今年の二回試験落第者が急増した原因としては、原因不明とする最高裁を除いては、急激な合格者数増が原因だとする説が多数を占めると . . . 本文を読む
もはや読みきれないほどにコメントが付いている「~異様な格差」の記事について、法科大学院への批判と法科大学院生(あるいは卒業者)への批判を区別すべきだ、という意見が複数あったようなので、この点について一言。
このブログで黒猫が展開しているのは、基本的には「法科大学院」制度への批判であって、「法科大学院生」への批判ではありません。黒猫の基本的な主張は、構想段階からめちゃくちゃな法科大学院・新司法 . . . 本文を読む
週刊誌『読売ウィークリー』の10月15日号に、『「新司法試験でわかった ダメな法科大学院はドコ?』という記事が載っているというので、早速買って読んでみましたが、実際に記事(94ページ)を読んでみると、題名が「’07問題で法科大学院も二極化か」となっていて、目次と本文にかなりトーンの食い違いがありました。編集段階で混乱でもあったのか、それともわざとか・・・?
気を取り直して記事の本文を読んでみ . . . 本文を読む
落合先生のブログ経由で読んだ記事。
http://blog.goo.ne.jp/sleepingcat_2006/e/5f672e7cd8af29adc1bd1bd5d787e399
この記事を読んで、黒猫が修習生時代に注意されたことをいくつか思い出しましたので、記事にしてみようと思います。
1 バスの中で事件の話をするな!(前期修習・後期修習)
司法研修所は、東武東上線の和光市駅から . . . 本文を読む
タイトルをみて、「また法科大学院卒業者を悪し様に罵る気だろう」と思った方もいるかもしれませんが、今回はむしろ新試験合格者にとっては朗報ともいえる記事だと思います。
論文試験の成績は、修習生・実務家法曹にとって重要な能力である起案能力をみる重要な指標となるものであり、それゆえに新司法試験の合格判定においても、4対1の割合で論文試験の成績が重視されています。
そして、論文試験の成績判定において . . . 本文を読む
ついに新司法試験の結果が発表されましたね。
成績全体について論評する前に、まず法科大学院別の合格率ランキングを出してみようと思います。
なお、全法科大学院別の合格者数等のデータについてはこちら
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h18-04kekka.pdf
を参照してください。
<凡例>
出願者数:新司法試験に出願した者のうち、法科大学院を卒業 . . . 本文を読む
9月19日、久しぶりに事務所に行ってきました。体調が好転せず仕事への完全復帰はまだ無理な状況で、事務所にも2時間ほどいただけで気分が悪くなって帰ってしまいましたが、心配していた一般事件が無事に処理されているのが分かったので、いくらか安心できました。
ところで、このブログ、9月20日の閲覧数が3902pv、アクセスIP数が2456ip、gooブログ内での順位が22位(637758 BLOG中) . . . 本文を読む
情報セキュリティに関する記事を投稿しようとして編集ページを開けたら、アクセス数やコメント数が異様な数になっているのでびっくりしました。
私の書いたことに関しては批判的なご意見が多いようですが、たしかに法曹としての資質は必ずしも司法試験の成績だけで測れるものではないので、法科大学院で実用的な教育を受けられているロースクールの卒業生であれば、就職段階でそれほど不利になるとは限らない、という分析も可 . . . 本文を読む
9月21日の新司法試験最終合格発表を控え、既に法務省のHPで発表されている短答式試験の結果発表などをもとに、新司法試験と旧司法試験の「格差」について検討してみました。
まず新試験のデータを以下に示します。
出願者数 2,125人(受験資格を得られなかった12人を除く)
実受験者数 2,087人(途中欠席4人を除く)
短答式試験合格者数 1,684人(合格率約80.7%)
合格ライン 21 . . . 本文を読む
先日、黒猫がエレクトーン教室の発表会に出場したとき、ある子供に「弁護士ってどうやったらなれるの?」と質問されました。
しかし、ご存知の方はすでにご存知のとおり、現在の法曹養成制度はかなりめちゃくちゃな状態で将来像が全く見通せないので、この質問に対しては一瞬答えに窮しました。結局、子供にあまり難しい現実の話をしても理解できないので、無難に「今だと、大学を卒業した後法科大学院に入って勉強して、司法 . . . 本文を読む