味わい一筆

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天然忌そして日向神話

2015-09-09 14:48:13 | 日記

昨日は「天然忌(てんねんき)」だった。天然忌とは表千家の中興の祖といわれる7代如心斎を偲ぶ追善の会で、表千家においては利休忌とならぶ大切な行事の一つといわれている。天然忌は、法事にあたるので、着物や帯は皆落ち着いた地色のものだった。この時期は単衣の着物なのだが、まだまだ暑いので絽でも構いませんとの御達しで、今夏最後の絽の着物で出かけた。

床に画像に当る円相が掛けられ、その前に白い芙蓉の生花と御茶湯がお供えされた。その後、如心斎宗匠のお好みの道具を用いて、考案された七事式のお稽古且坐(さざ)の研修があった。正客が入れられた「花」に初秋のやすらぎが感じられて、おだやかな気持ちになった。

供茶と且坐、厳粛な二時間程の正座は、ほんとに緊張して辛かった。呈茶席で可愛い「うずら餅」という、天然忌用のお菓子を頂いた。とても美味しくて求肥の柔らかい感触が今も残っている。

 

 

 

 

 

午後に日向神話の講演会が催された。カムヤマトイワレヒコ(神武天皇)誕生までの郷土愛に基づいた話に聞き入った。

日向神話の目的は、神武天皇をうみだすことということだった。

山幸彦は、トヨタマヒメの父ワタツミからも祝福を受けてトヨタマヒメと結婚することになりました。

やがて、トヨタマヒメは懐妊し出産の際、「私が子を生む時には絶対に中をみないでください」
と、山幸彦に告げました。山幸彦はがまんできずにとうとう中をのぞいてしまいました。すると、そこには大きなサメがのた打ち回っていたのです。トヨタマヒメの本当の正体はサメだったのです。

子を無事に生み終えたトヨタマヒメは、
「あんなに見ないでくださいとお願いしたのに、生まれたばかりの子を置いて妻のトヨタマヒメが海に帰ってしまいました。それからというもの、山幸彦はウガヤフキアエズの世話係を決め、大切に育てていました。

トヨタマヒメは自分の代わりに妹のタマヨリヒメを、ウガヤフキアエズの育て役として寄こしました。
やがてりっぱな青年に成長したウガヤフキアエズは、タマヨリヒメと結婚しました。タマヨリヒメは、しばらくして、カムヤマトイワレヒコ(神武天皇) を生みました。

 

講演会では、「見畏れみて」という言葉が要所に要所に、今まで経験したことのないことを経験する、試練を乗り越える、展開という意味合いで登場した。神話は現代に何を伝えているのだろうか。秋の陽射しに映える御寺を見上げつつ考え帰路についた。

 

この日は母の命日でもあったので、帰宅して、供茶を復讐しながら家の床の間に、今までで一番丁寧にお供えしてみた。母が驚いて頂いてくれた気配がした。 ( ;∀;)

 

 

 

 



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