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映画「ハドソン川の奇跡」を観た

2024年04月03日 | 映画

テレビで放送していた映画「ハドソン川の奇跡」を観た。2回目の鑑賞だ。2016年、96分、アメリカ、監督クリント・イーストウッド、原題Sully(Sullyというのは機長のニックネーム)。イーストウッド監督の映画は好きなものが多い、「マディソン郡の橋」、「グラン・トリノ」など何回か見直している。

2009年のアメリカ・ニューヨークで起こった航空機事故を、当事者であるチェズレイ・サレンバーガー機長の手記「機長、究極の決断 『ハドソン川』の奇跡」をもとに映画化したもの。

2009年1月15日、乗客乗員155人を乗せた航空機がマンハッタンの上空850メートルでバードアタックに遭い、コントロールを失う。機長のチェズレイ・“サリー”・サレンバーガー(トム・ハンクス)は管制塔から指示のあった近くのラガーディア空港かティーターボロ空港に緊急着陸しようとするが、とっさに無理と判断、ハドソン川に不時着させることに変更、見事に成功する。その後も真冬の川に浸水した機体から乗客の誘導を指揮し、全員が救出される。サリー機長は一躍、国民的英雄として称賛されるが、その判断が実は乗員、乗客の安全を脅かすものとして国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われることになり・・・・

観た感想を述べてみよう

  • 実際に起った話だから着陸自体は本当に成功したのだろうが、ハドソン川に不時着を決断してから実際に実行するまでの時間はわずかで、ハドソン川を航行している船も多かっただろうに良くそれを避けて着陸できたものだ、本当に事故が起らなかったのは奇跡としか言い様がない
  • 事故は1月15日に起った、ニューヨークの冬は極寒だ、そこで冷たい川に落ちないまでも風が吹きすさぶ外にいきなりコートも着ないで放り出されて良く心臓麻痺とか急死する人がいなかったものだ
  • トム・ハンクス演ずる主人公の機長サリーが乗機前から公聴会の終了に至るまで、憂鬱そうな表情だったのがどうしてなのか気になった、もちろん当局からの訴追を心配し出してからは当然だが、終始一貫してアメリカ人らしい明るさが全然ないのだ、公聴会で機長の判断が適切だと決した後でもだ、これは史実に忠実なのかもしれないが、観た後のすっきり感がなかった、ただ、公聴会の最後に、「より良い代替策はあり得たか」と聞かれた副機長のジェフは、「不時着は7月にすべきだった」と冗談を言って笑わせたのはアメリカ人らしいユーモアで救われた
  • 公聴会ではコンピューターを使って他の空港に緊急着陸できたどうかのシミュレーションをして、最初は緊急着陸できた、という結論になり機長らは追い詰められるが、そのあとの機長の反論が素晴らしかった、この物語の一番のキモであろう、観ていて「なるほど」と思った

さて、この映画を久しぶりに見直してみて、すぐに思いつくのは今年1月2日に羽田空港滑走路上で起った日航機と海上保安庁機の衝突事故、その後の日航機からの乗員乗客379人全員の脱出劇だ。テレビで、衝突の瞬間や機体の火災を見て、ヘタしたら全員死亡の悪夢が頭によぎった人は多かっただろう。それが全員無事に脱出とのニュースに接したときの驚きと乗員乗客の冷静な行動に対する賞賛、これを誰か日本人映画監督が「羽田の奇跡」という映画にしてくれないか。ただ、海上保安庁の飛行機に乗っていた5名のかたが亡くなったことを考えると無理か。

「ハドソン川の奇跡」は24分、155人の脱出劇だったとテロップに出たが、「羽田の奇跡」は18分、379人の脱出であった。

 



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