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上野の「旧東京音楽学校奏楽堂」を見学する

2023年06月23日 | 街歩き

マティス展を観た後、上野の公園をぶらぶら歩いていると、明治時代の古い洋館があるのを見つけ、何だろうなと見たら「旧東京音楽学校奏楽堂」と書いてあり、見学自由、となっていた。これは今まで気づかなかったと思い、時間も早いので見学してみようと思った。入館料は300円。

この奏楽堂は、入手したパンフレットによれば、東京藝術大学音楽学部の前身、東京音楽学校の校舎とし、明治23年(1890)に建築され、日本における音楽教育の中心的な役割を担ってきたものである、とのと。2階の音楽ホールは、かつて瀧廉太郎がピアノを弾き、山田耕筰が歌曲を歌い、三浦環が日本人による初のオペラ公演でデビューを飾った由緒ある舞台だそうだ。

創建から80年近く経過した昭和40年代(1965~)に入ると、建物の老朽化が目立つようになり、校舎を都外へ移設する構想が持ち上がったが、昭和58年(1983)に台東区が東京藝術大学から譲り受けることとなった。そして、昭和62年(1987)に現在の地へ校舎を移築・復原し、「旧東京音楽学校奏楽堂」として一般への公開を開始した。さらに、昭和63年(1988)には、日本最古の洋式音楽ホールを擁する校舎として、重要文化財の指定を受けた。

以来、奏楽堂は、「生きた文化財」として、建物の公開のほか、演奏会や音楽資料の展示を行ってきた。平成25年(2013)4月より保存活用工事のため休館し、平成30年(2018)11月にリニューアルオープンした、とのこと。館内1階には展示室がいくつかあり、昔のピアノ、パイプオルガンの一部、歴史年表、楽譜、演奏会プログラム、音楽評論の雑誌などが展示されており、勉強になる。

そして2階には音楽ホールがある。ここは今でも藝大の協力により開催されるコンサートが開催されているし、クラシック音楽公演をする者に貸し出しもしている現役の音楽ホールである。自由に見学できるのは有難い。

館内は撮影禁止と表示されている部屋、ないし資料を除いて写真OKであるのも有難い。ゆっくり展示室を見て、音楽ホールでは前から後ろまで歩いたり座席に座ったりして当時の雰囲気を味わったのは貴重な経験になった。私の他にも何名かの人たちが見学に訪れていた。クラシック音楽ファンならば一度は訪問する価値はあると思う。



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