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「芸劇ブランチコンサート~名曲リサイタル・サロン~」を聴きに行く

2023年09月22日 | クラシック音楽

東京芸術劇場で開催された「芸劇ブランチコンサート~名曲リサイタル・サロン~」を聴きに行ってきた。2,400円。芸術劇場の大ホールに来たのは久しぶりである。時間は1時間の予定だが実際は1時間10分くらい。観客は平日昼間と言うこともあり、ほとんどがシニア。ホールの30%か40%程度埋まっていたか。

出演
新倉瞳(チェロ)、佐藤卓史(ピアノ)
ナビゲーター:八塩圭子

プログラム
サン=サーンス:白鳥
フォーレ:シシリエンヌ
バルトーク:ルーマニア民俗舞曲
ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲 第2番 より ワルツII
ショスタコーヴィチ:チェロソナタ

このコンサートは毎奇数月に有名ソリストを招いて、八塩圭子のナビゲーターで開催しているようだ。お昼時に1時間という短い時間だが、クラシック音楽が聴けるというのも良いアイディアであると思う。最近は、会社でも時間単位の有給休暇が取れるので、働いている人でも聴きに来れるかもしれないが、それらしき人は全然いなかった。

チェリストの新倉瞳はテレビのクラシック倶楽部に出ていたので知っていた。彼女は、ドイツに住んでいた8才の時にチェロをはじめ、桐朋学園音楽大学からスイスのバーゼル音楽院に進み、現在はヨーロッパと日本を行き来している。国内外での受賞歴も多い。テレビでは、歌舞伎とのコラボ、演奏家のためのドレスのプロデュースなどでも幅広く活躍、と紹介されていた。

ピアノの佐藤卓史は自身のHPによれば、1983年秋田市生まれ。4歳よりピアノを始め、高校在学中の2001年、第70回日本音楽コンクールピアノ部門で優勝、とある。その後も数々のコンクールに入賞したり優勝したりしている第一人者だ。ライフワークとしてシューベルトのピアノ曲全曲演奏に取り組んでいるそうだ。シューベルトファンとしては今後彼の公演を是非聴きに行ってみたい。

今日の公演を聴いた感想を述べてみよう

  • 今日の公演では司会が付き、二人にいろんなインタビューをしていた。面白い試みだと思う。演奏家の二人のプラベートな話まで含めて、いろんな話を聞けて大変よかった。新倉さんがスイスの物価の高さを嘆いていたのが面白かったし、二人の演奏家が出会うきっかけ、二人で演奏旅行に行ったときの食事の話など、面白かった。司会なしでできるようになればもっとよいと思う。
  • 新倉さんのCD販売をしており、買ってくれた人には終演後サインをしてくれると張り出してあったし、インタビューでも本人が宣伝していた。良いことだと思う。
  • 曲目ではメインのショスタコーヴィチのチェロ・ソナタがやはり難解であった。先日再読した中川右介氏の「冷戦とクラッシック」でもショスタコーヴィチのことがかなり書かれているが、彼は冷戦時のソ連という国に翻弄された音楽家であった。独裁国家ならではの密告と保身と裏切りの協奏曲が展開され、昨日まで国家を代表する英雄だったショスタコーヴィチ、プロコフィエフたちが形式主義者、個人主義者だとして批判されたと思えば、その後復権したりした。
  • チェロ・ソナタは難解で会ったが、一方で、ジャズ組曲は面白い曲だった、新倉さんから説明があったが、何か日本の音楽のような哀愁のある、こぶしがきいているところがあったりの、親しみやすい曲だった。
  • アンコールで「クレズマー(東欧の伝承曲)より、ニグン」が新倉さんにより演奏されたが、この曲は冒頭、彼女の歌で始まり、その後チェロの演奏に移るいい曲であった。新倉さんの歌まで聴けるとは彼女が多芸であることがわかった。
  • 今日の公演で、新倉さんは紙のスコアではなくタブレットPCを見て演奏していた。これは良いことだ。新しいことに挑戦するのはさすが若い人だ。ただ、楽章が変る都度、タブレットの画面にタッチしていたように見えたが、すべてバックステージで操作できないのだろうか。

また機会があったら二人の演奏会に行ってみたい。

さて、今日は12時過ぎに公演が終わったので、ランチを取ろうと思って東武のレストラン街に行ったら、混んでいたので、東口付近で何か食べるものがないかとブラブラしたが、結局、めぼしいものはないので、久しぶりに富士そばでさっと済ませた。冷し肉富士そば梅干し入り650円。おいしかった。こんなクオリティーのものが650円で食べられるなんて、マックバーガーが1,000円以上する他の先進国では考えられないだろう。



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