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これは弦楽器を弾く時の弓です。
別にこの弓が音を出すわけではありませんが、
弦楽器の演奏には大きく影響し、これも木製のものが使われています。
使われている木材はブラジル産出のブラジルウッドと言う名前の木です。
ちなみにブラジルがある国だからブラジルと言う名前がついたと言う、
木材の名前が国の名前になったと言う世界で唯一の例です。
ではブラジルと言うのは何かと言うと、ブラジリンと言う染料のことで、
この染料を取ることができる木をブラジルウッドと言い、
化学染料が発明されるまではブラジルの主要な輸出品でした。
この木をあるフランス人が「これは弦楽器の弓に最適である」と言うことを発見し、
以来、この木は弦楽器の弓を作ると言う目的だけのために存在しています。
さて、少しややこしいのはこの木に二つの名前があることで、
一つはブラジルウッド、もう一つはペルナンブコ「Pernambuco」と言います
(楽器業界ではフェルナンブコと呼んでいるようです)。
ペルナンブコと言うのは良質のブラジルウッドが取れる地域がブラジルのペルナンブコ州と言うことからついた名前です。
木材は産地や積出港によって名前が変わることは多いので、これもその例だろうと思っていたのですが、
何人かの音楽・楽器関係者と話をしていると、
ペルナンブコとブラジルウッドは、「見た目も性質も加工の具合も全く違う別の木だ。」とのこと。
それで調べれば調べるほど、ベルナンブコとブラジルウッドは同じ木なのか別なのかが分かりません。
ウィキペディアでは簡単にベルナンブコはブラジルウッドの心材の通称と記載がありますが、
楽器の業界では峻別して、ペルナンブコは高級品。ブラジルウッドは普及品となっています。
さてこれから私のペルナンブコへの旅が始まりました。