木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

252. 遊具を修理する

2022-02-24 09:48:47 | ウッドデッキ
得意先のゼネコンさんのお客様サポート部門から依頼が来ました。
「20年ほど前に竣工したマンションの遊具の木部の修理をしなければならないのですが、当時設置したところでは補修はできないらしいので、そちらで修理できませんか。」

確認に行くと、マンションの敷地の中の雰囲気の良い空間の中にこの遊具がありました。


壁板は一部外れていましたが、この構造では強度がないので無理もありません。


遊具は海外ブランドの雰囲気で、ブランドの名前も刻印されていました。
しかし、調べるとこの遊具メーカーが今はない・・・・
推測としては20年前には、そのブランドの遊具を契約して日本で作っていたのでしょうが、
今はその代理店の日本の公園施設業者も扱っていないのだろうと思います。
ゼネコンさんは、「現在の仕様にこだわらず、ベストと思われる方法で修理してくれ。」とのこと。

なかなかよく考えられている遊具なのですが、いくつかの問題点があり(壁板の強度が弱い、床板のボルトが振動で抜け落ちる)、
さらにマンション側の要望はメンテナンスしなくても良い材料にして欲しい。
と言うことで、金属も人工木材も含めて考えましたが、金属はさすがに冷たい雰囲気で却下。人工木材はかえって長持ちしないので却下。
最終的に耐久性が30~50年のウリン材で取り替えることになりました。

木部をすべて撤去し、寸法を正確に計測しました。


工場でその寸法に基づき、加工をし、取り付けたのでこれです。


振動で取れてしまうナットは絶対に緩まないと言う特殊なナットで固定しました

今後この遊具の木材はメンテナンスする必要はないと思います。

欧米の場合、業者も設計事務所も屋外用木製施設の知識がありますので、メンテナンスはどの業者でもできるのですが、日本の場合、そのノウハウを持っている業者が少なく、木製遊具を販売した公園施設メーカーですら、メンテナンスはお客様がして下さいと言うスタンスのところが多いのが問題のところです。
コメント
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