木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

239. 本日は「木の日」。木で作った信じられないものあれこれ

2020-10-08 12:15:47 | ウッドデッキ
「木」と言う字を分解すると、十と八に分解できますので、
10月8日を「木」の日と制定されています。
と言うことでフェイクニュースかと思うような木の使い方のお話をいくつか・・・

■現在、日本で一番高い木造ビルは、今年完成した12階建てのマンションです。
日本の木造建築もここまできたかと思いますが、
カナダの大学の学生寮が、より高層の木造ビルです。こちらは18階建てです。


ヨイショッと言う建て方もなんとも木造らしい。

でもこのおかげで建築日数は通常の鉄構造よりも20%近く早くできます。



■自衛隊にとっての初の海外実任務に使われた自衛艦は木造船でした。
湾岸戦争の時、お金だけしか協力しない日本の態度に海外から「無責任ではないの。」
と言う声に反省した結果、戦後初めて、自衛隊の艦船を海外に派遣して任務にあたりました。

Photo from Wikipedia
この時の艦船は実は木製です。
なんせ任務がペルシャ湾の機雷処分ですので、
磁気機雷に反応しないように木製でないといけなかったからですが、
その時の日本の自衛隊の機雷処分に対する高い能力が他国の海軍からも高い評価を受けました。
(これも木造船のおかげ)



■第二次大戦中最も高速の爆撃機は木製でした。
木だったら軽いから金属製よりもスピードが出るだろうと考えて作りましたが、
その速度は爆撃機でありながら時速670km。
当時のイギリスやドイツのどの戦闘機よりも早い。
木製で合理的な作り方をすると、これだけ早くなるのには驚きです。

Photo from Wikipedia
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238. セランガンバツの正しい使い方

2020-10-05 17:48:34 | ウッドデッキ
セランガンバツ材と言う東南アジア産出の木材は屋外用途としてよく使われます。
30年前までは屋外用の高耐久の木材と言うのが輸入されていませんでしたので、
セランガンバツだけが比較的耐久性があると言うことで使われていました。
しかし、当時から屋外木製施設の専門業者はセランガンバツ材は加圧注入防腐して使うことをお勧めしていて、
そのままで使うとある程度の耐久性はありますが、
現在一般的に使われている屋外用の高耐久木材と比較すると、耐久性が低い部類になります。

しかしセランガンバツには他の高耐久ハードウッドと比較すると長所がたくさんあります。
・寸法が安定していて曲がりや反りが少ない。
・色が穏やかで、自然の木材の雰囲気がある。
・丸太でも輸入されているので、サイズの別注が可能である。

この写真の例はハウスメーカーさんの展示場の写真ですが、
これに使われているのはセランガンバツ材です。
住宅展示場の場合10年以上そのままと言うことは通常ありませんし、
このようなデザインであれば寸法の狂いが大きい他のハードウッドは使えません。
また住宅展示場としては雰囲気が重視なので他の木材のように自己主張の激しい色をした木材は使いにくいところがあります。

かくて、今回の場合、材種の選択としてはセランガンバツ材がベストと言うことになります。
木材も人間と同じで生物ですので、それぞれの材種で長所・短所があります。
これらのことをすべて理解されて、材種を指定して頂けると我々も仕事がやりやすいところがあります。
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