この写真はクラシックギターです。
フォークギターのようにピックで金属弦をひっかけるのでなく、
爪でナイロン弦をひっかけて音を出します。
さらに大多数の楽器のように単音を出すのではなく、
一度に複数の音を出しますので、
楽器の中で一つの音に与えることのできるエネルギーは最も小さい部類であろうと思います。
かくて、クラシックギターの使命としては、
いかに与えられた運動エネルギーを効率よく音に変換するかと言うことになります。
と言うことでこのクラシックギターの表に使われる板は、
史上最高の音響変換効率の高い木材と言われるカナダ産のウェスタンレッドシダーが使われます。
軽くて寸法安定性が高く腐りに強いと言う木材です。
我が社はこの史上最高の音響特性を有する木材を雨ざらしの屋外設置のウッドデッキの床板に使っています。
まあ会社で言うと、最高の教育を受けて就職した美しい新人女性を、
環境適応性が高いからと言う理由でアフリカの駐在員に出しているようなもんです。
ちなみに強くかき鳴らすフラメンコギターにはレッドシダーではなく、
スプルースが使われていますが、
音の柔らかさや少しのタッチで音が遠くまで届くような繊細な響きはレッドシダーの方が断トツに優れています。