木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

67. カナダ人と住宅論争その⑧:現場編

2014-06-27 12:55:10 | ウッドデッキ
Photo from Wikipedia
■だいたいカナダ人の建て方を見ていると荒いんだよな。これでちゃんと家が建つから不思議だ。
☆日本人の仕事は細かすぎるよ、我々はピアノを作っているんではなく、住宅を作っているんだ。
日本人がそこまでこだわって作っているのに、30年で住宅の価値がゼロになるなんて信じられないよ。
役所は何のために検査しているのかと思うね。
■ちゃんと検査しているよ。何年か前に耐震偽装の問題があってね。
申請段階の審査はすごくうるさくなったし、住宅が建てば、ちゃんと建てられているかどうかを検査にくるよ。
☆ちょっとまて、建ってから来るのか。
それでは検査にならないじゃないか
■出来上がったものを確認にくるのだからそれでいいじゃないか。
☆違う違う。工程ごとに来ないと、もし手抜きがあったらどうするんだ。
■そんなこと言ったって、工程ごとにくるとなると10回以上は来なければならないぞ
☆それが検査だろう
■そんなことしてたら検査官が来るまで仕事にならないじゃないか
☆えっ、申請したらすぐに来ないのか
■来ないのかって言ったて、役所の人間はそこまでの人数がいないよ。
☆いいか。住宅ってのは、君達が考えている30年持てばよいと言うのものではないんだ。
建ててから100年以上使っていくんだ。
それにその住宅に住む人はどんどん変わっていくんだ。
だから、不良住宅と言うのは個人だけの損害にとどまらないんだ。国全体の損害になるんだよ。

論争はさらに続きました。
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66. カナダ人と住宅論争その⑦:フローリング編(カナダ人を日本の住宅展示場を見せた時パート2)

2014-06-26 09:03:15 | ウッドデッキ

■室内にプリントの材料を使うのには驚いたようだが、
フローリングについてはやはり自然の木は違うからね、
これは塩ビではないよ。
これは本物のオーク材を0.2mmにスライスした単板を貼っているものを使っているんだ。
☆おいお前ら正気か、0.2mmの厚みだと・・・。
そんなもの、すり減ってしまったらどうするんだ。
ムクのフローリングをなぜ使わない。
■無垢のフローリングは使う場合もあるが、
それはよほど高級な家なんだ。
一般的な住宅はこの合板のフローリングなんだよ。
それに無垢のフローリングなんか使ったら、
欠けがあるとか柄が違うとか、もっとクレームになるじゃないか。
☆いくら安物の家と言ったって、
こんな合板の上に単板を貼っているようなフローリングだったら10年もしたら使えないじゃないか。
■いいかい。日本のハウスメーカーがもっとも気にしているのは引き渡し時にクレームのないことなんだ。
だから引渡し時に完璧なものを要求するんだ。
それから10年後にどうなるはかは、ハウスメーカーの関知するところではないんだよ。
☆住宅で完璧なものを要求するってこと自体に無理があるぞ。
しかし、日本のお客と言うのはそんな細かいところまで完璧を要求するのか。
■そりゃあ3000万円も出して一生に一度の買い物だよ。
細かいクレームを出したくもなるだろう。
☆なにっ、こんな家が3000万円もするのか。
そんな高い家に、なぜ、こんな塩ビや合板のフローリングを使うんだ。
3000万円もするんだったらメンテナンスとしていれば4000万円でも5000万円でも売れるじゃないか。
その時に塩ビや合板のフローリングだったらサンダーをかけ直して綺麗にすることもできないじゃないか
■ああ、分かった、それが日本とカナダの違いだな。
日本の家はどんなに高い値段の家でも30年経過したら資産価値はゼロになるんだよ。
メンテナンスしたから高い値段で売れると言うことはないんだ。
だからそんな先のことまで考える必要はないんだ。
☆それでは住宅は不動産ではないじゃないか。
■厳密に言うとそうだな。
不動産は土地になるな。土地の値打ちは下がらないが、
その上の住宅は中古になると値打ちはないからね。
カナダもそうじゃないのか。
☆カナダは土地の価値はゼロだ。
そこに、住宅が建って初めて不動産になるんだ。
若い人は中古の家を購入して、きっちりメンテナンスして、綺麗に仕上げて高い値段で売って、
また別の中古の家を購入するんだ。
建物は不動産ではないと考えているなんて、日本人はクレージーだな。

今回はカナダ側優勢。
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65. カナダ人と住宅論争その⑥:室内編(カナダ人を日本の住宅展示場を見せた時)

2014-06-26 08:59:47 | ウッドデッキ


☆なに!! これらの枠材や巾木は木ではないのか。
木の柄をプリントした塩ビでつくっていると言うのか。
なぜそんなことをするんだ。
■そりゃあ、購入するお客さまは木を望んでいるが、
木だと割れたり、狂ったりしてクレームになるじゃないか。
☆ちゃんと人工乾燥された商品であれば、そんなに狂ったり割れたりしない。
日本ではそんな既製品は販売されていないのか。
■ほとんど販売されていないな。
室内の木部はほとんど建材メーカーの製品だからね。
ムクの木材は使わないんだよ。
本当の木だと枠の縦と横の色が合わないとかクレームになるじゃないか。
☆色が違うのは木の良さではないか。日本人はそんなことまでクレームにするのか
■そりゃあそうだろう、住宅って日本人にとっては一生に一度の買い物だからね。
細かいところにクレームをつけるのは当たり前だし、
ハウスメーカーとしてもクレームをつけられないように、
木を使わずに塩ビを使うのは当然だろう。
高級車の内装を見て見ろよ、
木の柄があちこちに使われているが、あれは本物の木じゃないだろう。
皆、木の柄を印刷されたシートだよ。それと同じだろう
☆・・・・
今回の論争はこちらの勝ちでした。

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64. カナダ人との住宅論争その⑤:立地編(カナダの高級分譲住宅に於いて)

2014-06-24 12:44:16 | ウッドデッキ


☆ここがバンクーバーの高級住宅地だよ。ここからは海に沈む夕日が見えるんだ。最高の景観だろう
■それは分かるがなぜリビングを南側にしないんだ
☆南側にする??なぜ、そんなことをするんだ。
いいかい、この場所は西に開けているベストの場所なんだ。
■冬は寒いんだろう。南向きの方が日当たりが良くていいじゃないか。
それに、これだけ土地があれば南側にも掃出し窓があるリビングにすることもできるだろう。
☆南側にそんな大きな窓をつけたら家具が日焼けするじゃないか。
■そりゃあするけど、君達は太陽の光を浴びたいために、
わざわざ裸になってまで日光浴する人種なんだろう。
☆いいかい、最も高級な住宅は、リビングから海に沈む夕日が見えることなんだ。
つまり西向きの家がベストなんだ。夕日が沈む海に帆船が行く。
分からないかなぁ。七つの海を制覇した民族としてのロマンがあるじゃないか。

■ふーん。

言い分は分かりますが、エネルギーの観点から見ても南向きがベターとは思いますがね・・・。
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63. カナダ人との住宅論争その④:トイレ編

2014-06-23 22:36:57 | ウッドデッキ

■君はよく、日本の建築材は海外で通用するものがないと言っていたが、
ウォシュレットはどうだ、これこそ日本が世界に誇る住宅設備だぞ。
☆ああ、あれね。私も最初は汚い感じがして使うことができなかったよ。
■でも今は使い勝手はいいんだろう。なぜカナダでは、ウォシュレットは売れないんだ。
☆何て言うのかな。まあ値段も高いしね。カナダではトイレなんて非常に安いんだ。
いくら良いと言ってもあんなに高いと買わないだろうね。
■便座だけであればそんなに高くないじゃないか。
☆うーん。まあトイレはバスと一体だし、一緒に洗えるし、
そんなところに電化製品が入ってもなぁ。・・・
■今回は歯切れが悪いなぁ。ウォシュレットぐらいの金しれてるだろう。
ところでカナダ人は住宅のどこにお金をかけるんだ。
☆もちろん。キッチンだよ。ここはお客様に見せるところだからね。
■君達。本当に合理的な考えしているのか。

今回は日本側優勢で終わりました。
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