覆面評論家 改

サッカー、格闘技などスポーツ全般を綴ります。
日本の弥栄を祈念

澤屋敷純一と藤本祐介を追跡! 元気のない武蔵

2007-10-14 09:48:17 | K-1
K―1の武蔵(正道会館)が12月8日のワールドGP決勝戦(横浜アリーナ)で復帰する。谷川貞治イベントプロデューサーと武蔵の話合いで、「一から出直したい」との武蔵の希望で決定した。

武蔵は藤本祐介との直接対決に敗れ、日本人エースの地位を失った。2人は以前スパーリングパートナーであり仲が良い。この試合2人とも本気で戦わず、角田信朗から警告が出された後、藤本祐介のKO勝利で終わった。

格闘家が手を抜き負けると、そのままどん底をさ迷い続けることが往々にしてある。ピーターアーツもそうだった。20世紀最後の暴君と言われていた絶頂期、ジェロムネバンナと対戦した。1Rでアーツはバンナからいきなり2回のダウンを奪い、バンナを後1回沈めればTKOになるはずだった。

しかしその状況でピーターアーツに緩みがでた。顔から殺気が消え、余裕の表情さえみせた。それが命取りになった。立ち上がったジェロムネバンナは、気が狂ったように突っ込み豪腕を振り回す。そして1発がついにアーツの顔面を捉えた。アーツは崩れ落ちKO負け。

その後はトーナメントの優勝から遠ざかり、アーネストホーストの1人天下になってしまった。格闘技に限らずスポーツの世界は厳しい。一旦転げ落ちると自分の実力だけで立て直しがきかなくなる。運とか目には見えないものに左右されてしまうことがある。歴史に学びたい。

新しくエースになった藤本祐介は、澤屋敷純一にあっけなく天下を譲り渡した。しかし藤本祐介には外国人に劣らないパワーがある。スピードとテクニックが備わればまだ戦える。

武蔵はどうだろうか?肉体的にピークは過ぎた。テクニックはあるがここ一番の爆発力がないため、KO勝利が少ない。単発のキックの威力はある。ガードの上から蹴っても、レイセフォーの顔が苦痛で歪むほどだ。

しかしパンチにパワーがない。下半身に比較して上半身は細い。武蔵がパワー不足とされる原因だ。武蔵にはパンチ力強化のための、トレーニングが必要だったかもしれない。今トレーニングをしたところで遅いかもしれない。澤屋敷純一と藤本祐介を追いかけるために、過去の武蔵からバージョンアップさせる必要があることは間違いない。