動物園日和

日々の徒然なる思いを綴ります。

処方箋

2008-10-20 23:24:19 | 日々のつぶやき
レントゲン室の椅子はよくまわって
たんったんっ
床を2回蹴ると
世界がくるっと一周する

たんっ
世界がまわって
たんっ
世界が元に戻る
たんっ
世界がまわって
たんっ
世界が元に戻る

世界を3周回り終えたときに先生がやってきて
私は機械の前に立つ。
「大きく息を吸って~止めて!」
その一瞬でもう終わりだ。
すかすかした検査着を脱いで自分の服を着る。
レントゲンの後は気持ちもすかすかする。

それが、実感が伴わない検査だからだ。

あの一瞬で私の骨がどこかに焼き付けられているなんて
到底、信じられない。

血液検査は違う。
ゴムのバンドが腕に巻かれる。
私の腕は血管がわかりにくいらしい。
看護婦さんがさっきから困っている。
「反対の腕にしてもいいですか」
かまいません。よくあるんです。


検査の結果、白血球の数値が高く、熱は風邪ではなく体のどこかが炎症を起こしているためと判明。
どこかってどこなのさ。

解熱剤と抗生物質をもらって終了。
どこにあるかわからない炎症は、恐らくどこにあるかわからないまま消えていく。
感情みたいだと思う。どこだかわからないところで生まれて、ある種の感情はそのまま消えていってしまう。
でも感情は記憶に何かを残す。
傷が癒えた後も傷跡が残るように。

帰って熱を測ると34度8分だった。爬虫類みたいだ。
全体的に体温調節機能が壊れてしまっている。
まあいいさ、炎症が消えればそれも治まるでしょう。



微熱通信

2008-10-19 19:30:48 | 日々のつぶやき
セレスタミン、二フラン、クラリス、ゼスラン、ポノフェン、ホクナリン、リドメックス、ロコイド、プロペト、パスタロンソフト、マイザー、アレロック、アタラックス

さあこれみんな何でしょう。
1 ルパン3世カリオストロの城の端役キャラクター
2 南米ボリビアの地名
3 ここ一ヶ月で2gosenが医者から処方された薬品名

多い!多いよ!
症状なのか副作用なのかわからないという本末転倒な事態。
最近紫外線アレルギーが出ました。
免疫が弱ってるとたまに出るんですが
・・・お日様が駄目って何?みたいな。
もう地球に不適応じゃないですか!
緊急事態のためあまり好きじゃないけど飲み薬で解決。案の定副作用で胃が・・。

そして気がつけば3週間37度の微熱続き・・。
なんだろう。昨日は夜中の3時くらいにすごい悪寒で目が覚めそのまま20分くらい震えっぱなし。そのとき熱が35度4分〈普段の平熱はこのくらい低い〉で、今朝5時に起きたら38度4分に。体温って2時間で3度も上がって大丈夫なのでしょうか。

結構身体丈夫なほうだし、熱以外の風邪の症状は既にないのですが、さすがに3週間続くと精神的にも肉体的にも参ってきました。仕事とかにも響いてますます自分が厭になったり。体調管理も仕事のうちだし、体調は言い訳にはならないので、本当に自分にいらいらします;;

この体を脱いで別の体に潜り込みたい。
体が無理なら皮膚だけでも。

弱音を吐けばそんな感じです・・。


今日の一曲 スピッツ「孫悟空」

新しい十字路を目指す

横にある快感や あつらえた偶然に
寄り道したりしながら



熱を逃がす。

2008-10-12 23:09:16 | 日々のつぶやき
しょっちゅう風邪引いたって書いている気がしなくもないのですが
また引きました。
なんか夜になると微熱が出るなーくらいに軽く考えてたんですけど上がっちゃいました。
なので今日はお昼までぐっすり。


風邪は嫌いだけど、小さい頃から、自分の体が自分の体じゃなくなる感じに妙にハイになってしまうところがあります。

例えば、これから熱が出るとき
まず指とかが腫れぼったくなって
弾ける寸前のウィンナーのように、皮が薄くなって、中が熱く熱くなっていく。

関節の力が抜けて、
うずくような、浮遊感。
寒気と熱が交互にやって来て
本当に高熱になるときは歯茎が変にぼわーっとして

身体が熱いと、窓ガラスを触っても新聞を触っても、何を触ってもひんやりとしていて気持ちがいい。
熱が高いところから低いところへ逃げていく。
今、自分の熱はこのコップのほうへ移っていく。
そう思うとやけに愉快な気持ちなってぬるくなったガラスさえ楽しい。

子どものころは学校を休んで見るNHK教育テレビが最高の娯楽だった。
今みんなは学校にいて、教科書を開いていて
私がここでこんなに自由にしていることをみんなは知らない。

世界の裏側にいるような、
ちょっとした優越感と罪悪感。

今は体育の時間。よかった。今日は跳び箱なんだもん。
給食はちょっとだけ羨ましい。
風邪だし、どうせちゃんとは食べられないよね。

病院から出される咳止めシロップには可愛いキャラクターがついていて
とろんとしたそれは重たくて甘い味がした。
風邪のときだけ再会する、病院のスリッパの上のミッフィー。
今日は学校のお友達はいないの。
絵本やスリッパやテレビの中のお友達と仲良くする日なの。

でも子どもが面白いと思うテレビ番組なんてほんのわずかで

煌々と蛍光灯が照らす教室と違って
「寝ていなさい」とカーテンどの閉められた家の中は薄暗くて
私はすぐに教室が恋しくなる。

そういえば今日で国語の「ごんぎつね」が終わっちゃうかも。
あのお話、大好きだったのに。
そういえば、私、香りつき紙石鹸を持っていく約束してたんだった。
もうみんな、私をぬかして交換しちゃったかもしれない。

わきに差し込まれる体温計の冷たさや
水枕のゴムの匂い
ヨーグルト。
おじや。
「風邪のときだけの特別」はたくさんあって
ソファでうとうとしながら聞くお母さんの台所の音も特別。

人の立てる音の温かさを本当に感じたのは
学生になって一人暮らしを始めてからだった。


風邪を引いたとき
身体は冷たいものに熱を逃がしたがる。
でも、同時に、人の温もりに同じくらい触れたくなる。
それは小さい頃も、今も、変わらない。