動物園日和

日々の徒然なる思いを綴ります。

横浜巡り

2008-03-31 00:47:45 | 日々のつぶやき
今年は横浜に縁があるらしい。
1月、2月、3月。月一回のペースで横浜へ行っている。

昨日、この町が好きになってしまった。

友達のライブを見に赤煉瓦倉庫のジャズクラブへ。
暖かくて重みのある赤い煉瓦。
窓の外の海を電飾で飾った船が往き過ぎる。
戦慄のチャージ料金で震え上がったあとは海際を歩く。
さっき聴いた中央フリーウェイがまだ頭の中で鳴っている。

ロボットアニメの司令部とかで出てきそうな巨大な水上バス事務所。大桟橋。
ウッドデッキ。不思議な、夢で見た景色みたいな景観の屋上広場からさっきまでいた赤煉瓦倉庫とその後ろにそびえるみなとみらいの建物を見渡す。ランドマークタワー。2ヶ月前にあそこの70階にいた。

観覧車が時刻を表示している。寒いねと言い合ってカフェに向かう。
カフェの周りにはなつかない猫がいて
教会の中庭の桜は夜の中で白く膨らんでいた

夜は優しく伸び縮みして時間はどこまでも歪み
始まったばかりの春の、夜のただ中をまだまだ歩きたくて
目的地を先延ばし先延ばしにして
電源を切ったままの携帯電話を思い出しもせず
横浜という町の中を
春の夜の中を
闇雲に進んで行った。

中華街にはまだたくさんの人々が行き交っていて
天津甘栗の匂いと客を誘う肉まんの売り子の声と赤と黄色の看板たちが出迎える。
路地という路地すべて雑多な匂いと音と色が満ち溢れている。

終着地のみなとみらい線元町・中華街駅の光に照らされた清潔な地下通路
駅。ホームの空間の広がり。
今夜見た景色。
聴いた音。
かいだ匂い、
感触。
夜の続く感じ。
どこまでも濃淡をつけて広がる横浜の市街地。
全部覚えていたいと思った。

それくらい完璧な春の夜だった。


本日のパスタ。

2008-03-17 22:55:55 | 日々のつぶやき
パスタが好きだ。

作るのも楽ちんでいい。
お店で食べるのも好きだ。

和風もカルボナーラもトマトソースも好きだ。
ぺペロンチーノやジェノベーゼも好きだ。
人と食べるときはにんにく系は避けたりする。

昨日は人と食べにいった。久しぶりに和風にしてみた。
これなら匂いもあるまい。

が、人生は厳しく、山は常に高く、竜巻は一瞬ですべてを奪う。

トッピング、海苔。
ベスト オブ 歯につく食べ物。それが海苔。



以前、歯の隙間に彼らが大量に乗り込んでしまった人を目撃したことがある。
その存在感たるや筆舌に尽くしがたく、同席した我々友人たちを凍りつかせた。

今問われているのは海苔うんぬんではない。我々の真の友情が試されているのだ・・・!そんな静かで熱い思いが我々の胸に去来したのは言うまでもない。

我々は言葉少なに、やや視線をはずしながらごにょごにょと「早くトイレで鏡見たほうがいい」「なんか海苔使う食べ物食べた?」等をオブラートに包み、さらにそれを手早く餃子の皮にくるみ、最終的に春巻きの皮で巻いて仕上げた感じに申し伝えた。

でもきっと自分に何かついてたらさくっと「あ、付いてるよ」って言ってもらえた方が嬉しい。う~ん、難しいな。

そんなことを考えながら、無事海苔一族の陰謀も乗り切り、ふと自分の着ているロングのニットカーディガンの裾を見たらオナモミ的な草の実が付いていた。どれだけ野生児なのか。
敵は常に陣中にあり。


空に

2008-03-11 23:50:17 | 日々のつぶやき
チシャ猫の牙みたいな黄色い鋭角の月がかかってて
本当ならもっと愉快な気持ちで見上げたのに



仕事を始めるときに
一つだけしっかり決めて
今でも果たそうとし続けているのは
仕事の愚痴は言わない
意識を切り替えられる練習をしようということだった。

スイッチみたいに考えるのを止められたらいいのに。


声に出すと気持ちがますます濁ってくるから
ヘッドフォンのボリュームを上げた
黄色い月は何度か雑に滲んで
それでも帰り道にずっとついてきてくれた。
家に着いたときにちょうど曲が終わって
気づいたら月は高い屋根にさえぎられて見えなくなっていた。


今、そこにある危機。

2008-03-10 15:09:50 | 日々のつぶやき
彼らはもう何時間もそのように待ち続けていた。
闇が少しずつ現実を溶解させていった。
何もかもがずっと昔に、どこか遠い世界で起こったことであるように思えた。
あるいは何もかもがずっと先に、どこか遠い世界で起こりそうなことであるようにも思えた。
            村上春樹 「ニューヨーク炭鉱の悲劇」より



あなたは約束をしていたのに風邪を引いてしまう。
しかもその約束は、あなたがちょっといいななんて思っている人と会う約束だったりする。

当日、意外に元気だったあなたは用事を片付けて待ち合わせ場所へと向かう。

相手の人がやってくる。

にこやかに話しながらお店へと向かう。

お店は飲み屋さんだ。入り口で靴を脱ぐ。

と、そこで世界は暗転する。
あなたの顔は青ざめ、呼吸は浅く、視界は狭くなる。
自分の日常と隣り合わせに大きな口をあける漆黒の闇があることを知る。
そう、視界はどんどん狭くなり、あなたの視線はいまや自分のつま先1cm四方に集中し、そこから目をそらすことができない。



靴下に穴が開いている・・・!

どうですか?ここ最近4年間くらい犯したことのなかった痛恨のミス・・・。
「ぎゃふん」って言いそうになりましたよ・・。