ミッドナイトカワサキはいつも上品な白髪を櫛で撫で付けている。
レジ業務にも少し慣れてきた。
長身を不器用にかがめてつり銭を渡す。
今は深夜12時だ。
最近の12時は深夜でもないのだろう。
24時間スーパーにはちらほらと買い物客がいた。
コンビニと違って所在無さ気にうろうろしている客は少なく
皆目当てのものを買ってはあっさり帰っていく。
仕事帰りらしき女性客がアイスクリームを買っていく。
サラリーマンはカップラーメンを買っていった。
俺もようやく「箸をおつけしますか」を忘れずに聞けるようになってきた、と
ミッドナイトカワサキは思った。
駅前の24時間スーパーには
うまくその空間に馴染めず、はにかんでいるような初老の男性レジ係がいる。
その店の従業員はみな深夜勤務のミッドナイトと銘うった名札を下げている。
知らない人はとりあえず心の中で仮名で呼びかける私は
夜買い物に行ってレジで会うだけの彼にカワサキという名前をつけた。
外をマフラーをふかしたバイクが行き過ぎる。
店内の空気は乾燥している。
夜明けまであとどのくらいだろう。
ミッドナイトカワサキの夜はまだはじまったばかりだ
レジ業務にも少し慣れてきた。
長身を不器用にかがめてつり銭を渡す。
今は深夜12時だ。
最近の12時は深夜でもないのだろう。
24時間スーパーにはちらほらと買い物客がいた。
コンビニと違って所在無さ気にうろうろしている客は少なく
皆目当てのものを買ってはあっさり帰っていく。
仕事帰りらしき女性客がアイスクリームを買っていく。
サラリーマンはカップラーメンを買っていった。
俺もようやく「箸をおつけしますか」を忘れずに聞けるようになってきた、と
ミッドナイトカワサキは思った。
駅前の24時間スーパーには
うまくその空間に馴染めず、はにかんでいるような初老の男性レジ係がいる。
その店の従業員はみな深夜勤務のミッドナイトと銘うった名札を下げている。
知らない人はとりあえず心の中で仮名で呼びかける私は
夜買い物に行ってレジで会うだけの彼にカワサキという名前をつけた。
外をマフラーをふかしたバイクが行き過ぎる。
店内の空気は乾燥している。
夜明けまであとどのくらいだろう。
ミッドナイトカワサキの夜はまだはじまったばかりだ