オクラホマシティ・サンダーの2019-20シーズンが終了しました。
今回の記事では、そのシーズンの感想を添えつつ振り返っていきたいと思います。
『予想外の好成績』
今シーズンが終了し、サンダーの成績は44勝24敗(勝率61.1%)、プレイオフ1stラウンド第7戦敗退となっております。
シーズン開幕前のウェストブルックとポール・ジョージのトレード、かき集められる将来の指名権。
これらの事象を目の当たりにして、誰がこのような結果に終わることを予測できたでしょうか。
開幕直前にシーズン展望を書き、確かにプレイオフ進出は可能だとは考えましたが、読んでいただければ分かる通り”たられば”の手厚い保険をかけてなんとかプレイオフ進出との予測です。
まさか昨シーズンの勝率を上回り、まさかホームコートアドバンテージ獲得寸前までの成績を残すことができるなんて、夢にも思っていませんでした。
間違いなくリーグを代表するサプライジングチームとなったことでしょう。
『チームの完成形探し』
開幕11試合で4勝7敗と予想通りの負け越しを記録し、再建に向けてはある意味順調な滑り出しとなったサンダー。
戦力以前にチームの主力大半が新加入の選手である為、プレイの中でちぐはぐになる場面も散見される始末。
それでも試合終盤まで食らいつくチームとしての姿勢や勝ちに対する執着心もあり、負けて当然と楽観的スタンスのファン目線では中々楽しめる試合でありました。
そのような試合は続いていた中、来る11月15日の76ers戦。
サンダーはオーバータイムまでもつれますがなんと接戦をものにして勝利します。
「まぐれにしても、善戦し勝利に結びついた素晴らしい試合だった。」
その後3連敗となりますが、全て5点差以内での敗戦。
逆にその後4試合で3勝を記録しますが、こちらも全て5点差以内での勝利。
「まさかこのチーム本当は強いのではないか?」
ファン、メディア、そしてサンダー以外の29チームがそう疑問に思っていたところでした。
疑問が確信へと変わる試合が12月6日のウルブズ戦。
■ドートデビュー戦
■クリス・ポールの遅延行為の指摘
■アダムスからシュルーダーのへタッチダウンパスでの同点ブザービーターレイアップ
■延長戦勝利
シーズン終了後から見れば、ドートが活躍していることも、クリス・ポールがルールの穴を常に探していることも、シュルーダーの勝負強さも、サンダーが延長戦に滅法強いことも周知の事実でしょう。
それら周知の事実が確固たるものになった先駆けとなったのがこの試合だったのです。
その後、26点差、24点差、18点差と恐ろしいまでに逆転をしては勝利をものにするサンダーはいつしかドアマットチームではなく、本格的にプレイオフを狙えるチームへと変貌を遂げていきました。
結局12月は10勝3敗(勝率76.9%)を記録し、ウェストでトップの成績を残したのでした。
そして気づけばシーズン序盤の負け越しもきっちり勝ち越しにして、2019年を締めくくりました。
「再建」というワードはなくなり「プレイオフ進出」がチームの完成形となっていたのです。
『揺れ動く最後の決断』
2020年1月も勢いが止まらないサンダーは、逆転劇、延長戦での勝利、接戦をものにしていきました。
ウェストブルックのオクラホマ凱旋、スターンの死去、コービーの死去等々、プラスにもマイナスにもエモーショナルになる月でしたが、そういった外的要因をものともせずサンダーは勝ち続けました。
プレイオフ待ったなしのサンダー。
そこへやってきたのがトレードデッドラインでした。
冒頭に戻りますが、開幕前サンダーは再建チームとしてシーズンに臨む予定でした。
とにかく指名権を集めたのも、タックスの支払いを甘んじて受け入れたのも全てはこのトレードデッドラインで動くことを大前提としていた為です。
一度はチームの勢いに任せプレイオフを目指したチームながらふと我に返ると、チームの大スターを放出してまで入念に組み立てた計画を続行できる最後のチャンスだったのです。
当然トレードデッドラインが過ぎてしまえば、再建のチャンスはガクンと落ち、余分なタックスの支払いも必要となってしまうでしょう。
今シーズンを取るのか、来シーズン以降を取るのか、二者択一を迫られたのでした。
サンダーの出した答えは今シーズンを全力で勝ちに行くことでした。
トレードデッドラインで動かなかったのです。
それと同時に開幕当初トレード予定だった選手を戦力とし、1億円にものぼるタックスの支払いを受け入れたのでした。
この決断の結果、サンダーはロード9連勝、8選手が2桁得点、18点差以上の逆転5回等、選手1人というよりチームとして勝利を積み重ねていきました。
3月8日の時点で40勝24敗(勝率62.5%)を記録。
『特殊な状況下でのプレイオフ』
新型ウイルスの世界的蔓延により一時はシーズン中断となったNBAでしたが、オーランドにあるディズニーワールドに試合会場・練習会場・選手達の宿泊施設を整備した通称”バブル”を作り上げシーズンを再開させます。
広大な敷地とは言え同じ施設内に全チームの選手たちが集まり生活、ホームコートアドバンテージの消失、無観客試合、例年とは異なる時期での試合。
ありとあらゆる状況が例年とは異なるプレイオフが開幕。
サンダーはウェスト5位でプレイオフ進出となりました。
相手は長年サンダーの顔でありながらも開幕前にトレードにて放出したウェストブルックの所属するロケッツ。
ファンにとっては非常に複雑なシリーズとなりますが、どちらにしても本来両チームのホームコートでの試合であれば、間違いなく盛り上がったことでしょう。
とは言え、
「長年の恩師が実はラスボスだった」
みたいなマンガのような熱すぎるストーリーにこの特殊な状況下はある意味うってつけだったのかもしれません。
ホームコートアドバンテージのない盛り上がりに欠ける状況をストーリーで補い、実際蓋を開けてみると接戦に次ぐ接戦、延長戦突入、最終第7戦ラスト1秒までどちらが勝つのか分からない非常に手に汗握る、NBAの醍醐味をとことん堪能できる内容になっていたのです。
結果的には1stラウンド敗退となってしまいましたが、負けた相手がウェストブルックだったことや、開幕前のチームへの期待度、そして特に前年理不尽すぎる回避不可の3Pにてプレイオフ敗退したことと比べれば、遥かに充実した悔いの残らないシリーズになったと言えます。
何はともあれお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
楽しいシーズンでした。
P.S.
とりあえず、考察の捗りそうな来シーズンについての記事については別でまた投稿を考えています。
また、気づいた方も多いかもしれませんが、今回選手個人についてはあまり触れませんでした。
選手個人についての記録や感想は、「通信簿」という形でこちらも別の記事にしたいと考えています。
今回の記事では、そのシーズンの感想を添えつつ振り返っていきたいと思います。
『予想外の好成績』
今シーズンが終了し、サンダーの成績は44勝24敗(勝率61.1%)、プレイオフ1stラウンド第7戦敗退となっております。
シーズン開幕前のウェストブルックとポール・ジョージのトレード、かき集められる将来の指名権。
これらの事象を目の当たりにして、誰がこのような結果に終わることを予測できたでしょうか。
開幕直前にシーズン展望を書き、確かにプレイオフ進出は可能だとは考えましたが、読んでいただければ分かる通り”たられば”の手厚い保険をかけてなんとかプレイオフ進出との予測です。
まさか昨シーズンの勝率を上回り、まさかホームコートアドバンテージ獲得寸前までの成績を残すことができるなんて、夢にも思っていませんでした。
間違いなくリーグを代表するサプライジングチームとなったことでしょう。
『チームの完成形探し』
開幕11試合で4勝7敗と予想通りの負け越しを記録し、再建に向けてはある意味順調な滑り出しとなったサンダー。
戦力以前にチームの主力大半が新加入の選手である為、プレイの中でちぐはぐになる場面も散見される始末。
それでも試合終盤まで食らいつくチームとしての姿勢や勝ちに対する執着心もあり、負けて当然と楽観的スタンスのファン目線では中々楽しめる試合でありました。
そのような試合は続いていた中、来る11月15日の76ers戦。
サンダーはオーバータイムまでもつれますがなんと接戦をものにして勝利します。
「まぐれにしても、善戦し勝利に結びついた素晴らしい試合だった。」
その後3連敗となりますが、全て5点差以内での敗戦。
逆にその後4試合で3勝を記録しますが、こちらも全て5点差以内での勝利。
「まさかこのチーム本当は強いのではないか?」
ファン、メディア、そしてサンダー以外の29チームがそう疑問に思っていたところでした。
疑問が確信へと変わる試合が12月6日のウルブズ戦。
■ドートデビュー戦
■クリス・ポールの遅延行為の指摘
■アダムスからシュルーダーのへタッチダウンパスでの同点ブザービーターレイアップ
■延長戦勝利
シーズン終了後から見れば、ドートが活躍していることも、クリス・ポールがルールの穴を常に探していることも、シュルーダーの勝負強さも、サンダーが延長戦に滅法強いことも周知の事実でしょう。
それら周知の事実が確固たるものになった先駆けとなったのがこの試合だったのです。
その後、26点差、24点差、18点差と恐ろしいまでに逆転をしては勝利をものにするサンダーはいつしかドアマットチームではなく、本格的にプレイオフを狙えるチームへと変貌を遂げていきました。
結局12月は10勝3敗(勝率76.9%)を記録し、ウェストでトップの成績を残したのでした。
そして気づけばシーズン序盤の負け越しもきっちり勝ち越しにして、2019年を締めくくりました。
「再建」というワードはなくなり「プレイオフ進出」がチームの完成形となっていたのです。
『揺れ動く最後の決断』
2020年1月も勢いが止まらないサンダーは、逆転劇、延長戦での勝利、接戦をものにしていきました。
ウェストブルックのオクラホマ凱旋、スターンの死去、コービーの死去等々、プラスにもマイナスにもエモーショナルになる月でしたが、そういった外的要因をものともせずサンダーは勝ち続けました。
プレイオフ待ったなしのサンダー。
そこへやってきたのがトレードデッドラインでした。
冒頭に戻りますが、開幕前サンダーは再建チームとしてシーズンに臨む予定でした。
とにかく指名権を集めたのも、タックスの支払いを甘んじて受け入れたのも全てはこのトレードデッドラインで動くことを大前提としていた為です。
一度はチームの勢いに任せプレイオフを目指したチームながらふと我に返ると、チームの大スターを放出してまで入念に組み立てた計画を続行できる最後のチャンスだったのです。
当然トレードデッドラインが過ぎてしまえば、再建のチャンスはガクンと落ち、余分なタックスの支払いも必要となってしまうでしょう。
今シーズンを取るのか、来シーズン以降を取るのか、二者択一を迫られたのでした。
サンダーの出した答えは今シーズンを全力で勝ちに行くことでした。
トレードデッドラインで動かなかったのです。
それと同時に開幕当初トレード予定だった選手を戦力とし、1億円にものぼるタックスの支払いを受け入れたのでした。
この決断の結果、サンダーはロード9連勝、8選手が2桁得点、18点差以上の逆転5回等、選手1人というよりチームとして勝利を積み重ねていきました。
3月8日の時点で40勝24敗(勝率62.5%)を記録。
『特殊な状況下でのプレイオフ』
新型ウイルスの世界的蔓延により一時はシーズン中断となったNBAでしたが、オーランドにあるディズニーワールドに試合会場・練習会場・選手達の宿泊施設を整備した通称”バブル”を作り上げシーズンを再開させます。
広大な敷地とは言え同じ施設内に全チームの選手たちが集まり生活、ホームコートアドバンテージの消失、無観客試合、例年とは異なる時期での試合。
ありとあらゆる状況が例年とは異なるプレイオフが開幕。
サンダーはウェスト5位でプレイオフ進出となりました。
相手は長年サンダーの顔でありながらも開幕前にトレードにて放出したウェストブルックの所属するロケッツ。
ファンにとっては非常に複雑なシリーズとなりますが、どちらにしても本来両チームのホームコートでの試合であれば、間違いなく盛り上がったことでしょう。
とは言え、
「長年の恩師が実はラスボスだった」
みたいなマンガのような熱すぎるストーリーにこの特殊な状況下はある意味うってつけだったのかもしれません。
ホームコートアドバンテージのない盛り上がりに欠ける状況をストーリーで補い、実際蓋を開けてみると接戦に次ぐ接戦、延長戦突入、最終第7戦ラスト1秒までどちらが勝つのか分からない非常に手に汗握る、NBAの醍醐味をとことん堪能できる内容になっていたのです。
結果的には1stラウンド敗退となってしまいましたが、負けた相手がウェストブルックだったことや、開幕前のチームへの期待度、そして特に前年理不尽すぎる回避不可の3Pにてプレイオフ敗退したことと比べれば、遥かに充実した悔いの残らないシリーズになったと言えます。
何はともあれお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
楽しいシーズンでした。
P.S.
とりあえず、考察の捗りそうな来シーズンについての記事については別でまた投稿を考えています。
また、気づいた方も多いかもしれませんが、今回選手個人についてはあまり触れませんでした。
選手個人についての記録や感想は、「通信簿」という形でこちらも別の記事にしたいと考えています。
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