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【2019-20通信簿】シェイ・ギルジャス=アレキサンダー

2020年09月29日 | 2019-20 シーズン
シェイ・ギルジャス=アレキサンダー

評定10段階中10

【スタッツ&成果】
70試合出場
34.7分/試合
19.0得点/試合
5.9リバウンド/試合
3.3アシスト/試合
1.1スティール/試合
0.7ブロック/試合
FG 47.1%
3P 34.7%
FT 80.7%


ウェストブルックとジョージのトレードに踏み切ったオフ、
”サンダーの次期エースを担うのは一体誰なのか?”
サンダーファンのみならずメディアでも話題に上がりましたが、口を揃えて期待を寄せたのがシェイ・ギルジャス=アレキサンダー(以降SGA)でした。

ルーキーだった昨シーズン、既に先発のポジションにて活躍し、チームはプレイオフに進出、自身もオールルーキー2ndチームに選出。
チームには同時期に加入したクリス・ポール、ガリナリ、得点面では既にチーム内トップクラスだったシュルーダーもいましたが、サンダーの未来を担う若手・エースとしてはSGAがうってつけの存在だったのです。

プレッシャーになってしまうほどの期待を寄せられ、いざ開幕した19-20シーズンでしたが、SGAはプレッシャーを跳ねのけるように活躍します。
1年に1人は出てくるのではないでしょうか、ルーキーシーズンに活躍した選手が2年目にスランプで思うような成績を残すことをできたいことを、”2年目のジンクス”なんて呼ぶことがありますが、SGAはその上チームが変わったにも関わらず、更なる成長を見せたのです。

主にエースとして得点面での活躍が光り、開幕から2試合連続での25得点オーバーから始まり、レギュラーシーズン70試合中1桁得点に終わったのはたったの1試合。
リーグ全体でトータル出場時間が8位、1試合平均出場時間15位とシーズンを通しての安定した体力があり、またファールトラブルやケガが少ないこともこの数字から読み取ることができます。
安定感で言うと1試合平均30分以上出場し、10本以上試打している選手の中でSGAはターンオーバーの少なさでリーグ2番目です。
つまり、ミスが少ないということ。
2019年12月31日にはキャリア初の2桁リバウンドを記録。
そしてその2週間後1月13日には20得点20リバウンド10アシストという、キャリア初トリプルダブルも達成。
2月中旬にはオールスターのイベントの1つであるライジングスターチャンレンジも出場。
個人の成績もさることながら、当初再建が予定されていたチーム成績もプレイオフが狙える位置につけており、まさに順風満帆なシーズンを送ったと言えるでしょう。
シーズン終了後のMIP投票では、全体6位となり、自他ともに認める成長した選手となりました。

SGAの強みは大きく分けて2つ。

1つ目は、上記で触れた部分と重なるかもしれませんが、とにかく体力があること。
これはもちろん日々のトレーニング、しっかりと管理された食生活・生活リズム等もあるでしょうが、プレイスタイルに起因している部分もあります。
技を豊富に持ち合わせるSGAにおいていうことのできる1つの共通点。
ドライブからのレイアップにしても、ステップバックからのジャンパーにしても、ディフェンダーをスピードで置き去りにするというのが一般的です。
しかし、SGAは決して”スピードに溢れる”というプレイスタイルではありません。
今シーズンこそクリス・ポールやシュルーダーがいたのでSGでプレイしていましたが、元々は196cmという身長を活かしたPGであり、寧ろ一般的なPGに比べるとかなり遅い部類にすらなってしまいます。
それでもたくさんの得点バリエーションを持ち合わせている理由は、
”ディフェンダーとのタイミングをずらすのが上手いから”
に他なりません。
シュートフェイクにしても、チェンジオブペースにしても決して速いモーションでないのにも関わらず、ディフェンダーは置き去りにされてしまいます。
これはもはや感性の域であり、突き詰めるとディフェンダーの体重移動や目の動き、呼吸と言った些細な動作を感じ取っているということができるでしょう。
転じてスピードを出さない分、使うエネルギー量をセーブすることで、脚への負担を軽減しケガのリスクを回避し、同時に長時間出場に繋げていると言えるでしょう。

プレイスタイルでもう1つ。
極端にジャンプをしないというものがあります。
アウトサイドシュート(ペイントエリアよりも外)、3Pを打つ時が一番顕著なのですが、ほぼジャンプせずにシュートをします。
それがステップバックだろうと、ファストブレイクの中であっても一緒です。
また、無理にダンクやレイアップに行くよりは、その前にジャンプを伴わないフローターにしてしまうことが多く、アウトサイトシュートと合わせてとにかくジャンプをしないのです。
こちらも転じて、エネルギー消費をセーブすることと、ケガのリスク軽減(特にディフェンダーの足の上に着地)に繋がっており、同時にSGAの強みと言えるでしょう。


もう1つの強みがチームメイトのクリス・ポールの存在。
年齢差こそ13歳離れているものの、クリス・ポールに一番可愛がられていたのはSGA(とベイズリー)でした。
コート上だけでなく練習中やオフの日にも一緒にいることが多く、特にポジションが近いということもあり更にはSGAの素直な性格も相まってポールの経験やバスケノウハウをスポンジの如く吸収していきました。
ポールに
「本当の兄弟だと思っている」
と言わしめた選手はリーグでも相当少ないはず。
また、ポールは常にSGAに
「お前のチームだ」
と強調していました。

殿堂入り確実の選手から、手取り足取り全てを学ぶことのできたその経験こそが、今シーズンSGAもう1つの強みと言えるでしょう。
その経験は既にシーズン中活きた場面もあり、またサンダーに限らず今後SGAの長いキャリアにおいても活きる場面が必ずあるでしょう。


プレイ面、チームにもたらした効果、ストーリー全てが完璧。
評定10となります。


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