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「スィンフォニー音楽会 曲目梗概」 (1914.12.6. )

2020年02月02日 | 作曲家 山田耕筰、松島彝子

    

  大正三年十二月六日午後一時十五分於帝国劇場
   東京フィルハーモニー会
   第拾四回演奏会
     スィンフォニー音楽会 
             曲目梗概
              東京フィルハーモニー会

   曲目梗概  山田耕作記

       曲目

     一、「ローエングリーン」前奏曲     リヒャルド ヴァグナー作曲
     二、「カルメン」第三幕中 ミカエラの歌 ヂェオルヂ ビゼー作曲      
     三、音詩「曼陀羅の華」         山田耕作々曲
     四、「カルメン」第一幕のハゞネラ    ヂェオルヂ ビゼー作曲
     五、スィンフォニー「かちどきと平和」  山田耕作々曲
       い、モデラート。
           アッレグロ モルト。
       ろ、アダーヂォ、ノン、タント
           エ、ポコ、マルツィアーレ。
       は、スケルツォー。
       に、アダーヂォ、 モルト。
           モルト、アッレグロ、エ、トゥリオンフォンテ。

 一、歌劇「ローエングリーン」前奏曲 プレリウド  リヒャルド ヴァグナー作曲

 二、歌劇「カルメン」第三幕中 ミカエラの歌  ヂェオルヂ ビゼー作曲
                         独唱者   永井郁子嬢
 三、音詩「曼陀羅 まだら の華 はな (初演奏)  山田耕作々曲 〔下は、その一部〕

  音詩はSymphonic Poem,Poème Symphonique,Sinfonische-Dichtung 等の訳語である。

 画家は色をもって表現の手段とする。
 作曲家は音を以て表現の手段とする。
 画家が花を画く、それは模写ではない。
 作曲家が詩を描く、それは逐字的翻訳ではない。
   この「曼陀羅の華」は友人齋藤佳三君が伯林滞在中父君の訃に接して痛める心の奥を静かに綴り出された詩である。
 この曲は千九百十三年十一月廿ニ日に完成した。

 四、歌劇「カルメン」第一幕のハゞネラ     ヂェオルヂ ビゼー作曲
                        独唱者   柳兼子夫人
 五、スィンフォニー『かちどきと平和』(初演奏) 山田耕作々曲 〔下は、その一部〕

 第二及び第三楽曲は此形式に従はない。 
 このスィンフォニーは自分が尊敬する
    男爵岩崎小彌太氏に      深い感謝の心をもって捧げたのである。
 原稿には一九一二年六月廿五日起稿としてある。
 第一楽曲はいつ頃書き上げたかよく覚えて居ない。
 第二楽曲は一九一二年七月二十二日に。
 第三楽曲は同年同月の二十八日に完成した。
 第四楽曲は
 「一九一二年十一月八日夜二時完成」完成と総譜に書き入れられてある。
 純然たる形式の上に建てられた楽曲に題名を附す事は頗る困難な事だ。然し今迄にもそれが皆無だとは云へない。ベートーヴェンの「パストラール、スィンフォニー」などもそれである。
 自分は如何しても劇音楽者であって純音楽者ではない。
   (純音楽と劇音楽との分類に就ても今少しく述べたいと思ふがそれは他の機 おり にしよう)
 が 純音楽者のする様に心の内側を話した そして それに
   「かちどきと平和」と云ふ題名を附した。
 自分は自分の作った曲の説明をしたくない たゞ この四つの楽曲中に織り込んだ主要な主題 テーマ 各個の一部を列記するに止めて置かう。
    ●第一 楽曲
     第一 主題
     第二 主題
    ●第二 楽曲
     第一 主題
     第二 主題〔上の右の写真参照〕
     第三 主題〔上の右の写真参照〕
    ●第三 楽曲
     第一 主題の(イ)
     第一 主題の(ロ)
     第二 主題
     第三 主題
    ●第四 楽曲
     第一 主題
     第二 主題



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