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『新勢力』 二・二六事件三〇年記念号 (1965.2)

2012年09月02日 | 二・二六事件 4 回顧、北一輝他

 昭和四十年 〔一九六五年〕 二月五日発行の『新勢力』 第十巻 第二号 通巻第七十八号 は、「二・二六事件三〇年記念号」である。

 ・二・二六事件記念慰霊像建設までのあれこれ …… 河野司
 ・ひと“二。二六”を反動と呼ぶ …… 田々宮英太郎
 ・「国体論」への回想  ‥‥ 佐藤正三

 ・北一輝小伝      ‥‥ 黒沢二郎(遺稿)
 ・北一輝君の思ひ出   ‥‥ 小笠原長生
 ・北先生を偲ぶ     ‥‥ 田中宏典

 ・二十四才までの西田税 ‥‥ 末松太平
 ・渋川さんと軍人精神  ‥‥ 三角友幾
 ・二・二六事件異聞   ‥‥ 市倉徳三郎
 ・北先生の面影     ‥‥ 馬場園義馬

   北一輝先生ト最後面謁記録 
     東京陸軍衛戍刑務所ニ於テ、昭和拾弐年八月拾八日午前十一時四十分頃ヨリ約四十分間。
     面謁者 北大輝 黒沢次郎 馬場園義馬

  ・面謁直後ノ感想
  ・北先生ノ面影
  ・御老母ノ先生兄弟評
  ・先生ハ飢餓大将デアツタ -(後藤氏談)-
  ・北先生ト読書
  ・先生ト支那革命  
  ・先生勝手ニ古本ヲ売却ス
  ・先生怒ル
  ・先生閉口ス
  ・先生運転手ヲ叱ル
  ・地球ノ皮
  ・(昭和九年)
  ・北先生、西田氏等ノ死刑執行
  ・先生ト磯部氏ノ最後ノ談笑
  ・天台道士ト先生
  ・先生ノ死刑執行
  ・平等ノ礼儀

・小学生の見た二・二六事件 …… 伊沢甲麿
 ・風塵雑記 …… 編集後記

 なお、「陸相辞職の期愈よ迫る」 〔昭和十一年十二月頃〕 というビラには、次の記載がある。

 二・二六事件関係者にして 尚ほ 軍法会議に残存する人々は 二十五名であるが 是らの人々に対する判決は 十二月十九日に行はれるはずの処 その独り菅沼大尉(和歌山連隊)に対する刑の軽重如何は 同大尉の××関係などから 各方面に影響する点もある程に 同氏は複雑な立場にあるらしく 遂に 同日までに判決を下すことが出来なかったといはれる。が然し 遅くも 来る二十五日までには 裁断を見るはずで その判決あり次第 他の人々と共に 直ちに公表の運びとなる模様であるが 聞くところに拠れば

 ・真崎大将 香椎全司令官  證據不十分として 不起訴 無罪
 ・満井大佐 十年 ・齋藤劉予備少将 十五年
 ・西田税 死刑 ・北一輝 死刑は免れる
 ・石原廣一郎 起訴

 西田氏と殆んど同じ立場にあったと見られる北氏が 死刑を免れたのは 同氏過去の関連は別として 氏が 蹶起軍を支持したのは 蹶起軍が叛乱軍となる直前までゞあることが 時間的に証明されたので 叛乱軍支援といふ立場から外れ得たからである と
 久原房之助が“叛乱”そのものとは 無関係で 不起訴になったことは 謂はゞ“案外”の感を 世に與へたと同じやうに 残余の関係者の処罰も 少からず“政治的解決”の臭ひ多きを想はしめるやうな態度であるといはれる。例へば 満井氏の十年に対し 齋藤氏の十五年の如き 一般人の常識から見れば 当時 前者は“現役”であり 他は“予備”であったといふ一点だけから推しても 右判決は 寧ろ逆ではないかと 考へさせられるやうに。  



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