相澤中佐の片影
目次
一、中佐の略歴 〔下は、その一部〕
五、六歳の頃中佐は父君に従つて、郡山市(当時町)郊外の一小庵寺に起居して居た。其頃父君は旧藩の先輩同輩で維新の際に死んだ人々の故事を仔細に調査し、其の埋れた孤忠を留め彰すべく、全く独力で附近の遺跡に石碑を建てられたと言ふ。常々中佐に語つて言はれた。
「わしは仙台の藩士で、御維新の時には小義に捕はれて官軍に抗し申訳ないことをした。お前はどうか何時迄も 天皇陛下に忠義を尽し、此の父の代りをも勤めて呉れ。これがわしの遺言じや」と。
二、中佐の片影
三、中佐最近の書信
四、雑録
昭和十一年二月八日印刷 昭和十一年二月十日発行 定價金拾銭 編輯兼発行者 尾榮太郎 発行所 國際探訪通信社出版部
本書は、「相澤中佐の人格並犯行を賞恤」として、二月十三日に発禁処分となった(『増補版昭和書籍雑誌発禁年表 中』による)。
なお、「相澤中佐の片影‥‥翠谷山人」が、『核心』一二月合併号(第三巻 第一号 昭和十一年二月一日印刷 昭和十一年二月一日発行 発行所 直心道場内 核心社)にある。