2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 渡会圭子訳 『集団訴訟 セクハラと闘った女たち』(竹書房文庫)

2012-02-12 23:01:22 | 読書
本書の作者は、クララ・ビンガム及びロラー・リーディー・ガンスラーである。
内容は、1970年代後半から80年代後半までの間になされた、米国ミシガン州の鉱山でのセクハラに対して、会社側に対処を求めたものの解決にならず、やむなく訴訟を起こし、それが全米初のセクハラ集団訴訟となり、最後的には、和解によって、当時としては比較的高額の損害賠償金を得ることが出来たところまでが書かれている。しかし、起訴から和解まで10年もの月日がかかり、裁判の中で訴訟とは無縁と思われる自らの過去までをもさらされて主人公は精神的に病んでしまったほどだった。

このケースがその後のセクハラ訴訟に大きなインパクトを与え、多くの女性をセクハラから守ることに寄与したらしい。しかし、そうだとしても、彼女たちの失ったものが大き過ぎて、読了後にとても虚しくなった。

なお、本書は映画StandUPの原作本であるとのことだが、映画の方は集団訴訟となったところで終わるとのことである。
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