2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 宮崎学著 『談合文化論』(祥伝社)

2012-04-25 03:18:12 | 読書
本書で、著者の宮崎さんは、談合を「徳川時代まであったムラの自治にねざしたもので、自治を運営する自分たちの掟をつくり、それにもとづいて自己統治していくうえでおこなわれた構成員全員による話し合い」であるという(260ページ)。
明治時代以降は、官僚統制下での自治的な談合が行われていたが、田中角栄内閣以後、「談合は自治としての内実をその利権構造にほとんど吸収されてしまい」「癒着型談合への決定的な変質が起こった」。しかし、自治的な談合はなんとか残った。ところが、米国からの市場開放圧力によって、「談合文化」が瀬戸際に立たされた(263から264ページ)。
そこで、宮崎さんは、小泉改革でガタガタになった日本社会を立て直すために、「自治としての談合」の復権を説く。
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