米国の大学の准教授で、倫理学を教える宮本さん。
タイトルの通り、米国ではなぜ原爆、核が悪であるとは認識されず、むしろ良い物として認識されているかを説明している。
第6章の「隠されてきた被ばく」の内容は、米国での被ばくのケースを取り上げているが、知らなかったことばかりで、驚きしかなかった。
宮本さんは、核大国というのは、被ばく大国でもあるが、そのことを隠されてしまうという。
日本でも、広島や長崎で被ばくは隠されがちで、福島での被ばくも同様だろう。
宮本さんは第7章脚注で「福島県では、年間許容放射量が20ミリシーベルトに引き上げられていることは、差別政策であり、許させるべきではない。(中略)復興や観光、普段の暮らしを、通常の20倍以上の放射能基準の上に築こうとさせている政府の矛盾を厳しく追及していかなくては、この事故の責任は問われないままになってしまうのではないか」と懸念している。
図書館で借りた本だけど、買うことにした。
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