2月29日

日々の思いつき及び読書の感想

読書 森達也著 『死刑』(朝日出版社)

2012-02-29 03:42:39 | 読書
書き上げるまで3年の月日を費やしたのが本書である。本書のテーマの重さを考えれば、当然だろう。
森さんは、死刑廃止の立場に立っているが、「僕はこの取材を通して、自分が(死刑存置派に)転向してもかまわないと本気で思っていた」(310ページ)と告白している。
また、死刑を支持する多くの日本人は死刑囚が処刑の前に思うこと、その家族などについて知らないし、考えてもいないとも、森さんはいう(311ページ)。
最後に、「生きる価値のない人など認めない」し、「人に絶望したくない」から、死刑は「やめろ」という森さんの結論が書かれている(321から322ページ)。
死刑制度の賛否を決する前に、人の命の重さについて考えるべきだ。それをしなければ、その重さについて、わからないままになってしまうだろう。
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