本書は、話題にあげることがためわれることが多いと思われる「障害者と性」について書かれている。具体的には、風俗店に通う脳性まひの男性、障害者の男性とセックスをボランティアとして行った既婚の女性、障害者専門のデリヘル、出張ホストを依頼する障害者の女性、オランダにある障害者に有料で性の相手を派遣する組織(SAR)などである。
著者は大変だったとは思うものの、どこか表面的なところを滑っているだけのような印象を受けた。もっと、深いところを突っ込んでほしかった。つまり、障害者の置かれている状況、日本社会における「性」及び自分が考える「生と性」という視点があってよかったのではないかと。
本書には上記の印象があるものの、本書により「障害者と性」について社会的に注目が集まったのはよかったと思う。