本書は、「雅子さまをあくまでもひとつの手がかりとして現代の女性が直面している問題について考える」(198頁)ことを主眼とされている。
だが、とても特殊な環境である皇室に入った雅子さまと一般の女性とを比較すると両者の共通点よりも相違点の方が大きいために、意味のある比較結果が出ずに、その目的を達してはいないと思われる。
また、「勉強して、やりたい仕事について、そこでも努力して夢をかなえた女性がパートナーを見つけてさらに幸せになる」ということが実現するためには、その実現を困難にしている「壁」をすぐには壊すことが出来ないので、「なんとか乗り越えなければならない」と述べているが(197頁から198頁)、この回答はなんとも香山さんらしくない気がする。特に、「しなければならない」という調子が強迫的でどうかと思う。
初出は2005年7月で、文庫化は2009年5月。
だが、とても特殊な環境である皇室に入った雅子さまと一般の女性とを比較すると両者の共通点よりも相違点の方が大きいために、意味のある比較結果が出ずに、その目的を達してはいないと思われる。
また、「勉強して、やりたい仕事について、そこでも努力して夢をかなえた女性がパートナーを見つけてさらに幸せになる」ということが実現するためには、その実現を困難にしている「壁」をすぐには壊すことが出来ないので、「なんとか乗り越えなければならない」と述べているが(197頁から198頁)、この回答はなんとも香山さんらしくない気がする。特に、「しなければならない」という調子が強迫的でどうかと思う。
初出は2005年7月で、文庫化は2009年5月。