映画少年

映画と音楽を愛し 教育の未来を想う 少年のつぶやき

「人生の岐路」その5

2017-06-04 05:37:11 | 日記
5月17日にその4を投稿して以来随分間が空いたので、その4の最後の部分からスタートすることにする。

こうして、現在につながる人間関係がスタートした。
まさに人生の岐路である。
そして出会ったのが、保険の営業マンのところで紹介したあの先輩である。
この人に会っていなければ、少年は今とは大きく違う人生を歩んでいたはずである。
あの時あの依頼を断っていたら・・・(-。-;

先輩の名前をここではFさんとしておこう。
少年を、いや正確に言えば、少年たちを前にFさんはこう切り出した。

「就職活動を始めるので今のバイトをやめる。誰か後を継がないか。」

その場にいた3~4人の同級生たちは、お互い顔を見合わせたあとうつむいてしまった。
なぜなら「ちょっと危ない仕事」だったからである。
危ないといっても法に触れるものではなく、文字通り「危険」という意味である。
少年も迷った。バイトを探しているのは確かだが、この仕事はちょっと・・・(T_T) であった。

しかし、これが運命のいたずらというものか、自らの意志とは反対の言葉が少年の口から出てしまったのである。

「僕やりますよ」

こうして少年の「危険な?」バイトが始まった。
ある公共施設の警備員である。
午後5時に出勤し、職員を見送ったあと、7時、9時、11時に施設内を巡回し、仮眠。
午前7時に朝の巡回と開錠をして職員を待つ。

たくさんの利用者で昼間は活気に満ちた場所であるが、大きな施設だけに静まり返った夜間は不気味である。
出入り口や窓がたくさんあり、施錠を忘れたら悪意のある者たちが窃盗を目的に侵入してくる。
いや、施錠を忘れていなくてもガラスを割って入って来ることもできる。
実際に、他の類似施設で学生警備員が、深夜の巡回時に侵入者と鉢合わせをしたあげく、鈍器で殴られ大怪我を負ったという事件さえ起きていた。


また、侵入者=ドロボウより怖いものが、心霊現象=ユウレイである。
18歳の少年には、ユウレイの方が怖かったのである。
公共施設というものは、広い敷地を必要とするので、昔の墓地を他に移転して造成した土地に建てられることがよくある。
少年が勤めたこの施設はまさにそれだったのである。(あくまでも噂だが)


しかし、バイト代は悪くなく、巡回以外の時間は、10畳ほどの警備員室でテレビを見たり、勉強したりすることができたので学生にとっては試験期間でも問題なく務められるバイトでもあった。
また、土曜日の午後や日曜日には、小学生が遊びに来るので、彼ら(彼女ら)と遊んだり、話をしたりするのも結構楽しかった。


さらに、警備は数人の学生でローテーションを組んでいたので、他大学の学生とも仲良くなれたのである。
実は、その時の関係が今でも続いているし、当時小学生だったA君がやっている居酒屋を、警備員仲間のF会、そして大学のサークルのOB会の会場として定期的に利用している。
昨夜もA君の店にサークルOBの16人が集まり、旧交を温めたばかりである。


「何だ、危険なバイトと言いながら結構楽しいではないか」
とブログ読者の皆さんは、思っただろう。
そうなのである、「当たり」だったのである。

しかし、良いことばかりではなかった。
ある夜、ついに少年に人生最大の危機が訪れたのである。
一つ間違えば、少年はいまこの世におらず、したがってこのブログも存在しなかったはずである。
その危機とは・・・?
今思えば、あれこそ人生の岐路だった(>_<)







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