映画少年

映画と音楽を愛し 教育の未来を想う 少年のつぶやき

東へ西へ

2017-06-13 05:00:52 | 日記


仕事を終え帰宅する車のラジオが懐かしい歌を奏でてくれた。奏でると言ったが正確に言えば「叫ぶ」かもしれない。

その歌とは、井上陽水の「東へ西へ」(1972年)である。初めてこの曲を聴いた時の衝撃をいまだに覚えている。

昼寝をすれば夜中に眠れないのはどういう訳だ
満月 空に満月 明日はいとしいあの娘に逢える
目覚まし時計は母親みたいで心がかよわず
たよりの自分は睡眠不足で だから
ガンバレ みんなガンバレ 月は流れて東へ西へ

意味不明・・・
しかし、心に響く何かを感じる
イントロのギターがまず聴く人の耳を奪う
今までにないインパクト
いったいこの歌い手(陽水)は何を伝えたいのか?
いや、そんなことを考えさせるスキも与えない怒涛の歌声

電車は今日もスシズメのびる線路が拍車をかける
満員 いつも満員 床にたおれた老婆が笑う
お情無用のお祭り電車に呼吸も止められ
身動き出来ずに夢見る旅路へ だから
ガンバレ みんなガンバレ 夢の電車は東へ西へ

井上陽水(福岡県出身)
歯科医を目指し大学受験に臨むがことごとく失敗。「歌手でもやろうか」といったノリでプロへ。福岡のKBCラジオで紹介されたのをきっかけに世に知られるようになり、3作目のアルバム「氷の世界」(1973年)は、日本市場で初のミリオンセラーとなる。


「東へ西へ」は、その前年に発売されたセカンドアルバム「陽水II センチメンタル」に収録されている。

全作詞・作曲:井上陽水
SIDE A
つめたい部屋の世界地図
あどけない君のしぐさ
東へ西へ
かんかん照り
白いカーネーション
夜のバス
SIDE B
神無月にかこまれて
夏まつり
紙飛行機
たいくつ
能古島の片想い
帰郷(危篤電報を受け取って)

陽水の様々な側面が見えるアルバムである。
ストリングスで始まる「冷たい部屋の世界地図」は、幻想的であり、博多湾に浮かぶ能古島が舞台の「能古島の片想い」は、メルヘンチックである。

「東へ西へ」に話を戻そう。
実はこの曲は、1990年代に本木雅弘がカバーしている。大きなヒットには繋がらなかったが、ちょっとした話題になったのを覚えている。そう言えば陽水と同じ福岡県出身のチューリップの大ヒット曲「心の旅」(1973年)を俳優の吉田栄作がカバーしたのも90年代だったような気がする。当時人気者の彼らがカバーしても本家本元には、かなわなかった。

花見の駅で待ってる君にやっとの思いで逢えた
満開 花は満開 君はうれしさあまって気がふれる
空ではカラスも敗けないくらいによろこんでいるよ
とまどう僕にはなんにも出来ない だから
ガンバレ みんなガンバレ 黒いカラスは東へ西へ

ガンバレ みんなガンバレ 月は流れて東へ西へ
ガンバレ みんなガンバレ 夢の電車は東へ西へ
ガンバレ みんなガンバレ 黒いカラスは東へ西へ

1972年は、あさま山荘事件をはじめ、様々な出来事があり、先が見えない時代であった。そんな時代の若者の心情を代弁したのが陽水なのかもしれない。今また、同じような時代を迎えているが・・・

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