映画少年

映画と音楽を愛し 教育の未来を想う 少年のつぶやき

オケ老人

2017-07-30 19:33:29 | 日記
「オケ老人!」2016年制作の日本映画


以前から気になる女優さんであったがこの作品ですっかり杏のファンになってしまった。本当に素敵な女優さんである。
勘違いで入った老人ばかりの楽団で奮闘する女性を演じている。意外にも杏の初主演映画。杏は撮影に入る半年以上前から人生初のバイオリンを練習、通常なら2~3年かかる基本的なボウイング(弓の扱い)など演奏の基礎をわずか1ヶ月で習得したといわれている。その才能にも脱帽。

(あらすじ)※ウィキペディアより抜粋
梅が岡高校に赴任してきた数学教師の小山千鶴(杏)は着任早々、地元の文化会館で開催されたアマチュアオーケストラのコンサートの演奏に感銘を受け、入団を決意する。
後日、千鶴が楽団の拠点に行ってみると、そこのメンバーは老人ばかりであった。この町にはアマチュアオーケストラが2つ存在しており、彼女が聞いたコンサートはエリート集団の「梅が岡フィルハーモニー」のものだったのだが、誤って老人ばかりの素人オーケストラ「梅が岡交響楽団」の拠点に行ってしまったのだ。若者の入団を喜ぶ老人たちを前に、勘違いだと言い出せなくなった千鶴はそのまま楽団に入団することになり、ついにはなりゆきから、指揮者をつとめるハメになってしまう。

笹野高史、左とん平、小松政夫、藤田弓子、石倉三郎、茅島成美など、とにかく脇を固める「老人」たちの顔ぶれがすごい。特に小松政夫のギャグは健在であり、笑わせてくれる。脚本的に多少無理があり、最後も出来過ぎなのだが、コメディ映画なのでそれも許される。見終わったあと心がポッと温かくなる作品である。



九州銘菓

2017-07-28 04:33:19 | 日記
教育関係の研究会に参加するために大分市に来ている。研究会に先立ち開催された理事会には、九州各県の銘菓が持ち寄られ参加者に配られた。この会の恒例行事である。ちょっとしたことだが嬉しい。


大分県 南蛮菓ざびえる、府内戦紙
熊本県 黒糖ドーナツ棒
佐賀県 さがのがばいばあちゃん三色豆煎餅、いろはにほほほ
長崎県 九十九島せんべい、おたくさ
福岡県 博多通りもん、めんべい
宮崎県 プチケーキ、マンゴーcandy
次回は沖縄県も参加するのでちんすこうの参入が予想される。
なお、抹茶色の半月形の菓子は表記がないので出所不明。

理事会後の交流会も各県の近況報告と銘打った出し物タイムで大いに盛り上がった。
ご当地クイズや寸劇、我が福岡県は、博多にわかを披露した。各県の方言が飛び交い、終始和やかなうちに会を終えた。
さて、本番はこれからである。約400人が集まる研究会は、会長の挨拶に始まり、神戸から招聘した大学の先生による講演、そして実践発表が行われる分科会と続く。充実した1日になるように参加者の一人として頑張りたい。

早朝の大分市街地、左は大分駅(Blossom Oita 11Fより展望)


このホテルの21FにあるCITY SPAてんくう。地上80m、高さ日本トップクラスの大パノラマを望む天空露天風呂


人生の岐路 その10

2017-07-24 03:26:18 | 日記
(前回の最後の部分)
Sセンターは、それまで4年間通った施設と違い、利用者は全て大人だった。午後7時に「出勤」し、午前9時に「退勤」する、それをもうひとりの方と二人で回していく。昼間は、自由な時間を過ごせたが、夜の半分は拘束された。前年の秋から計画していた卒業記念欧州旅行の3週間以外は、そうした日が続き、あっという間に3月末を迎えた。4月からは、少年自身も就職するため、あとは後輩に任せることになっていた。
ところが、人生とは予定通りにいかないものである。少年に大きな危機が怒涛のごとく押し寄せてきたのである。

就職予定先から採用延期の連絡が入ったのである。しかも延期期間は未定。
当時その業界では、二次試験合格後に採用候補者名簿に搭載され、退職により欠員になった数だけ採用されるという仕組みになっていた。
つまり、欠員に応じて試験の成績上位者から順に採用されるのである。この仕組みについては知ってはいたが、まさか自分が年度当初の採用から外れるとは思っていなかった。
「採用が来るまでどうする?」少年は自問自答していたがすぐに考えを切り替えた。
「このSセンターの仕事を続ければ生活はできる。その後のことは改めて考えよう」
年末にサンタのごとくやって来たあの保険会社勤務のF先輩の依頼を一旦は躊躇しながらも引き受けたのが「命拾い」になったのである。


しかし、瞬く間にひと月が過ぎ4月末になったが何の音沙汰もない。少年の心に暗雲が広がり始めたそのとき、
「5月の人事異動でここの所長を拝命したKです。よろしくお願いします」
K所長との運命の出会いであった。

赴任の挨拶の後、すぐにK所長は少年の存在に気づきこう語りかけてきた。
「学生さん?」
事情を話すとK所長は黙って頷きながら受話器をとりどこかに電話をかけ、しばらくして次のような話をしてくれたのである。
「採用は早くて9月頃。場合によっては本年度はないかもしれない。7月の採用試験を受ける準備をしておいたほうがいいよ」
淀みのないこの言葉に、ショックというより先の見通しを示してくれたことによる光明のようなものを感じたのを今でも覚えている。
そして同時に、採用業務当局にいきなり電話をかけて(しかも番号を暗唱している)すぐに回答を引き出す行動に、
「この方は一体何者なのか?」という疑問も湧いてきた。
あとで分かったことだが、K所長は「当局」と関係の深い方だった。
なお、詳しく述べると特定されるのでここでは控えたい。
ただ誤解があってはいけないので付け加えると、採用に便宜を図るような方ではなかった。当時は、様々な業界で縁故やコネによる採用がまかり通る時代であったが、K所長は公正公平の人で、少年もそれを望んだ。

再度の受験は、7月の一次試験で敗退が決まった。少年の心にいつもの暗雲が広がり始めたそのとき、
「残念だったね。あんなにがんばっていたのに。もし希望するなら職種は違うけど非常勤職を紹介するよ。申請書を出しておけば臨時採用があるからね」
「でも資格が・・・」
「今の資格でできるよ。正規職に就きたければこれから資格を取って採用試験を突破する必要があるけどね」
「お願いします!」

10月半ば、新しいスーツを身に着けた少年は、新たな職場の入口に立っていた。


それから何年たっただろうか。少年は現在もその職に就いている。もちろん正規職として。
日々緊張感を強いられる職であるが、やりがいがあり充実している。
しかし、あの時、あの言葉がなかったら少年の人生は違うものになっていたことだろう。
人生の岐路には、様々な人が介在する。時には、正反対のアドバイスを受け、選択に迷うこともあるが最後は自分が決める。それがいいし、少年もそうしてきた。それでこそ自分の人生である。

人生の岐路シリーズは今回をもって終了します。











九州豪雨被災地フィールドワーク

2017-07-22 05:45:24 | 日記
今月5日の午後から降り始めた雨は、驚異的な豪雨となり福岡県の朝倉市と東峰村、そして大分県日田市に大きな被害をもたらした。それから二週間を経た昨日、被災地フィールドワークと称して朝倉市と東峰村を訪ねた。
大分自動車道杷木インターを下りるとそこはまさに被災地だった。災害派遣と表示された自衛隊の車両や県内外から派遣された消防車両があちこちに止められ、迷彩服姿の隊員が作業に従事していた。


市街地は、流木が散在し道路や住宅の敷地には、泥水で洗われた跡が残り、臨時休業している飲食店も何店か見受けられた。
以下、現地の写真をもとに現状を報告する。

被災に伴う瓦礫等が積み上げられた学校の運動場(東峰村立東峰学園)

ボランティアセンターが設けられ、多くのボランティアの皆さんが暑い中活動されていた。(お疲れ様ですm(_ _)m )


泥水で満たされた学校のプール(朝倉市立杷木小学校)底が陥没して使用不可能とのことだった。


流木が刺さった橋
濁流の凄さを物語っている。


テレビでも報道されていた川沿いの住宅。一階部分は全てが押し流されていた。東北被災地の津波被害を彷彿とさせる光景だった。


復旧作業にあたる人たち。


わずか一時間ほどの滞在時間だったので被災地の全貌には程遠いが、多少なりとも現状を伝えることができたのではないかと思う。機会があれば再び訪れてみたい。

ローグ・ワン

2017-07-17 12:53:29 | 日記


スターウォーズシリーズ第一作、エピソード4「新たなる希望」(1977年)の冒頭でレイア姫が映像で登場して、ダース・ベイダー率いる帝国軍の宇宙要塞「デス・スター」の設計図の存在をジェダイの騎士オビ=ワン・ケノービーに伝える場面がある。「ローグワン」は、反乱軍がこの設計図を帝国軍から奪いレイア姫に渡すところまで、つまり、エピソード4「新たなる希望」の直前までを描いた作品である。
この「デス・スター」は、惑星を丸ごと破壊してしまう能力を持っていたが、帝国軍に拉致されて建設に携わった天才科学者ゲイレン・アーソによってある弱点が仕込まれた要塞であった。したがって、設計図があれば弱点を攻撃することができるということになる。(その後実際に破壊している)


主演は、1983年イギリス生まれのフェリシティ・ジョーンズ。天才科学者ゲイレン・アーソの娘「ジン」役である。
父親が帝国軍に連れ去られる際に母親は銃殺されたが、ジンは生き延びて15年後に反乱軍に合流し、設計図を奪うために、はぐれもの集団「ローグ・ワン」とともに帝国軍と戦う。


そして、ローグ・ワンとともに戦ったドロイドがK-2SO。
ちょっとクールだが、情報を瞬時に解析して冷静に判断する、しかも強い。
最後は、役目を全うして「死」を迎えるのだが、その時不覚にも涙してしまった。
いや、涙に値するキャラだったと思う。一家に一台欲しいドロイドである。


ネタバレになるので続きは、省略するが、40年に及ぶスターウォーズシリーズの中でも最高傑作という声も少なくない。

「エピソード4」(1977年)

ちなみに、主演のフェリシティ・ジョーンズは、インフェルノ(2016年)でトム・ハンクスと共演していた。
これからも楽しみな女優さんだと思う。

「インフェルノ」右がトム・ハンクス