先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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足尾銅山製錬部(足尾鉱業所)争議 1924年主要な労働争議③ (読書メモー「日本労働年鑑」第6集)

2022年04月20日 08時00分00秒 | 1924年の労働運動

写真・足尾鉱山の組合員の面々(1920年代)

足尾銅山製錬部(足尾鉱業所)争議 1924年主要な労働争議③ (読書メモー「日本労働年鑑」第6集)

足尾銅山製錬部(足尾鉱業所)争議
参照「「日本労働年鑑」第6集/1925年版 大原社研編

 1924年4月栃木県足尾銅山製錬部(足尾鉱業所)労働者が、賃金値上げその他30項目の要求を足尾鉱業所に提出した。会社はこの労働者の要求を直ちにはね付けたばかりではなく、5名の労働者リーダーを解雇してきた。4月15日、労働者は①30項目要求の貫徹、②5名の復職、③全山の労働者の奮起(17日から連日の演説会)で目的貫徹を決議した。18日、総同盟と同盟会の幹部が駆け付ける。19日の演説会には農民組合も応援演説をした。この日の演説会には解雇された5人の労働者の一人磯貝太郎の娘とり10歳も登壇して聴衆に訴えた。
 21日、全山の町民向けに「町部諸君に檄す」、全山の労働者むけに「労働者諸君に檄す」のビラが一斉に配布された。
 23日、間藤の城の崎座において全山労働者大会が開かれた。鉱夫総聯合会の通洞支部と小瀧支部の会員労働者500名が鉱夫総聯合会支部事務所前に勢ぞろいし、会旗を先頭に堂々のデモをしながら会場に押し寄せた。
 ①全国の無産階級の団体に経過報告と緊急応援を求める
 ②人事主任、精錬所係長を弾劾する
 ③古河男爵に辞爵をせまる
を決議し、代表数名が古河男爵を訪ね辞爵の勧告をすることとなった。

 24日、闘いは明らかに持久戦の様相をみせてきた。
 連日の激しい示威行動。
 28日、足尾聯合会の通洞支部幹部3名、本山支部幹部7名と応援に駆けつけていた総聯合会可児義雄と日本農民組合の浅沼稲次郎の12名が公務執行妨害及び騒擾罪で検挙され栃木支部検事局に護送された。

 30日、日本労働総同盟本部の麻生久が来山し、佐々木所長と個人交渉して「解決」した。
 労働年鑑には「佐々木所長も労働組合側の要求を全部容れ、解雇された職工は復職の希望なきものとして円満に解決した」とだけ記しているが麻生と佐々木の交渉と合意の詳細には一切触れていない。典型的な麻生のボス交渉であり、労働者の不満はさぞ深かったのではなかったかと推測するだけである。



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