先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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1926年第7回メーデー 1926年の労働運動(読書メモ)

2023年04月28日 07時00分00秒 | 1926年の労働運動


写真・第7回メーデー上、大阪会場。下、東京会場

1926年第7回メーデー 1926年の労働運動(読書メモ)
参照「日本労働年鑑第8集/1927年版」大原社研編
  「協調会史料」

 5月1日のメーデーは年と共に日本全国の労働者階級の普遍的闘いとなり、全国で開催されないところはないほどであった。1926年の第7回メーダーは、全国68カ所で挙行され、参加人数は前年より倍加した約4万3千人で、開催地もこれまた前年と比して一道24県も増えた。デモも44ヵ所で敢行された。

函館市(約750名)、小樽市(約600名)、東京市(約8,400名)、京都市(約1,500名)、大阪市(①約5,500名、②1,600名)、堺市(約300)、横浜市(約2,000名)、神戸市(約500名)、尼ヶ崎(約1,200名)、高崎市(約100名)、藤岡市(約100名)、足尾町(約200名)、名古屋市(約400名)、浜松市(約1,500名)、松本市(約50名)、秋田土崎港町(約150名)、岡山市(約1,700名)、広島市(約100名)、広島土生町(因島労組中心に約300名)、三重松坂市(約1,300名)、和歌山新宮町(約50名)、兵庫県下3カ所(約1,400名)、千葉県下(約100名)、茨城県下(約60名)、香川県下6カ所()、鳥取県下(約2,500名)、徳島県下(約500名)、島根県下(約450名)等

 また、メーデー演説会が、沼津市(聴衆約300名)、八幡市(約1,000名)、小倉市(約400名)、仙台市(約350名)、盛岡市(数十名)、舞鶴町(約350名)、長野飯田町(約30名)、長野戸倉村(10数名)、新潟新発田町(約1,000名)、群馬3カ所(約450名)、愛媛日吉町(約50名)が開かれ、その他鹿児島県、静岡市、清水市、金沢市、岐阜市、大分市、奈良市、福井市、佐賀、松山、松江等にてメーデー懇談会などが行われた。

(各地におけるメーデースローガン)
8時間労働制の制定(全国)
治安維持法等悪法反対(全国)
全国総連合の促進、労働組合の全国団結(全国)
団結権・罷業権の確立(全国)
自由労働者の傷害保障(全国)
失業防止の徹底・救済(全国)
工場法の徹底的改正(全国)
万国の労働者団結せよ(全国)

労働農民党支持(大阪・京都・堺・加古川・名古屋・浜松・岡山・因島・八幡・小倉・鳥取など)

臨時雇用制度の撤廃(東京・大阪・京都・堺・函館・神戸・仙台・因島など)
公傷会社負担(小樽・函館・横浜・大阪・神戸・高崎・東京・市川など)
最低賃金制の制定(函館・大阪・横浜など)

児童と女性労働者の夜業禁止(大阪・尼崎・加古川・名古屋・松阪など)
女性人身売買禁止(神戸)
幼年労働の禁止(三重松坂)

朝鮮人労働者等人種差別反対(大阪・堺・京都・横浜など)
侵略戦争の徹底的反対(岡山)
軍事教育反対(横浜・神戸・岡山等)
国際平和の確立(大阪)
軍備縮小(神戸等)

義務教育費の国家負担(2ヵ所)
海員不在投票権(2ヵ所)
職工税撤廃(1ヵ所)

親方請負制度の撤廃(函館等)
罰金制度廃止(小樽等)
深夜業・残業の禁止(名古屋)
通勤費の電車賃の割り引き(京都)

生存権の確立(大阪・岡山・広島等)
居住権の確立(大阪)
耕作権の確立(大阪・京都・加古川・岡山・鳥取など)

御用組合の撲滅(横浜)
産業権の管理(横浜)
青年団の支配撤廃(岡山)
労働ブローカーの撲滅(岡山)

(東京メーデー)
 関東労働組合会議が主催し、午前10時、総同盟2,784名、評議会1,440名など17団体約8,300名が芝公園で集会をした。東京朝鮮労働同盟は約260名が参加した。集会では望月源治が宣言朗読、唐澤清八が決議文を読み上げ、各労働団体の弁士はことごとく「弁士中止」となった。演説では、自由労働系3名、朝鮮労働1名が検束された。上野公園までのデモは官憲の不当な弾圧にあい、検束者はなんと234名もあった。

(大阪メーデー)
 1、大阪労働組合会議側は総同盟1,794名 大阪地方評議会1,710名、朝鮮労働同盟会404名など約5,500名が正午公園グランドに集合し、天王寺公園までデモをした。デモの合間には、100台と119台の自転車隊が2列縦隊で堂々と進んだ。デモでは85名(内自由聯合31名)が検束された。
 2、純向上会側は1,500名が中島公園グランドに集合し天王寺公園までデモをした。

(京都メーデー)
 約1,500名が午前10時駅前広場に集まり、デモは圓山公園で解散した。検束者18名。集会スローガンの中に「民族差別待遇の撤廃」も掲げ、又「通勤費の電車賃の割り引き」もある。

(神戸メーデー)
 神戸では約550名の参加者は、8時間労働制、臨時雇用制撤廃の他に「帝国主義戦争反対」「軍事教育反対」「軍備縮小」「植民地の差別撤廃」「女子人身売買の禁止」「不当拘束への国家の賠償」などのスローガンを掲げた。解散地点において不当検束8名に抗議し、メーデー参加者全員が座り込んで抗議した。

(岡山メーデー)
 約1,700名の参加により、8時間労働制などの全国共通のスローガンの他に、「侵略戦争徹底的反対」「(部落)差別的観念の打破」「ブルジョア的教育奴隷制打破」「幼年工6時間労働制実施」「働かざる者(資本家)喰うべからず」など28のスローガンが印象的。

(広島土生町メーデー)
 土生町メーデーは因島労組を中心に約300名が、「労働者団結の前に資本家階級を戦慄せしめよ」「徹底的闘争は吾等の解放を生む」「賃金重搾取請負制度撤廃」「臨時雇用制度撤廃」「メーデーを期して組合に入れ」「団結は力なり」などの戦闘的スローガンを掲げた。

(三重松坂市メーデー)
 三重松坂市では、日本農民組合三重県聯合会主催で約1,300名の農民、労働者による、「18歳以上男女に選挙権獲得」「補習教育の無産階級化」「幼年労働の禁止」「18歳以上男女の結社自由」のスローガンを掲げたメーデーが挙行された。

(鳥取メーデー)
 鳥取県下では、日本農民組合山陰聯合会が主催して、約2,500名が参加し、「耕作権確立」「小作金納制度実施」「金融機関の無産化」「農業労働者最低賃金制の確立」「女権の確立」などのスローガンも叫ばれた。

(徳島メーデー)
 日本農民組合河南聯合会主催で約500名が、「吾等は8時間労働制の実施を要求す」「吾等は土地の国有を要求す」「吾等は生存権を要求す」を掲げた。

(足尾メーデー)
 日本鉱夫組合足尾銅山聯合会は、約200名で「鉱外8時間労働制、鉱内6時間労働制」などの要求を掲げ足尾メーデーを挙行した。

(小樽・函館メーデー)
 この年の小樽・函館における北海道最初のメーデーは画期的闘いであった。函館メーデーではスローガンの中の「親方請負制度の撤廃」と「臨時雇用制度撤廃」が注目される。小樽メーデーのスローガンには「罰金制度廃止」「公傷は親方負担」がある。
https://blog.goo.ne.jp/19471218/e/f020940ae291357c13e80d22085bbfe3

 また5月1日メーデーを期して立ち上がった函館水電労働者は、その後5月11日一斉にストライキに突入した。ストは電車、内線、外線、軌道、車両、変電所に及んだが、弾圧と切り崩しは峻烈を極めた。
https://blog.goo.ne.jp/19471218/e/c3b0cd9ee1bd251cf2b20580d851ce87



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