先輩たちのたたかい

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「夜業廃止運動」「寄宿舎制度撤廃運動」「臨時雇用制度撤廃運動」等を決議した東京合同労働組合大正15年度大会  1926年の労働運動(読書メモ)

2023年05月10日 07時00分00秒 | 1926年の労働運動

写真 東京合同労組「夜業廃止運動」大会決議(1926.3.21)

「夜業廃止運動」「寄宿舎制度撤廃運動」「臨時雇用制度撤廃運動」等を決議した東京合同労働組合大正15年度大会  1926年の労働運動(読書メモ)
参照「協調会史料」

東京合同労働組合大正15年度大会
 1926年(大正15年)3月21日、東京合同労働組合大正15年度大会が芝区芝公園協調会館において、代議員92名、傍聴者約70名の参加で開催され以下の提案が討議され決議されました。

大会決議
1、全国総聯合に関する決議案
2、産業別合同に関する決議案
3、失業問題に関する決議案
4、政党問題に関する決議案
5、悪法案反対に関する決議案
6、産業別整理に関する決議案
7、消費組合運動に関する決議案
8、職長制度廃止に関する決議案
9、製靴工場における悪雇用条件撤廃運動に関する決議案 
10、夜業廃止運動に関する決議案 
11、寄宿舎制度撤廃運動に関する決議案 
12、臨時雇用制度撤廃運動に関する決議案 
13、労働者相談部設置に関する決議案 
14、最低賃金確立調査に関する決議案 
15、隅田川精鉄所における罰金制度撤廃に関する決議案 
16、共済会改善に関する決議安 
17、手当給を本給に変更する決議案 
18、屋外労働者保護立法要求に関する決議案 
19、図書部設置に関する決議案
20、工場内に調査機関として投書箱設置の件
21、規約修正に関する決議案
22、議事法改正に関する決議案
23、ゴム労働組合創立に関する決議案
24、組合名称変更に関する決議案

以上の内、「夜業廃止運動」「寄宿舎制度撤廃運動」「臨時雇用制度撤廃運動」に関する決議案を紹介します。

1、夜業廃止運動に関する決議案
決議
 本大会は世界に比類なき野蛮制度である夜業制度に反対し、積極的に廃止運動を期す
理由
 夜業による労働者の危険有害は、その大半を占める繊維工業特に一般化学工業に多い。特に青少年男女労働者が之による傷害死去又は病死等の悲惨事は言語を絶している。
 殊に成熟期に当面する青少年男女の発芽期は無残にも奪われ知識欲に燃ゆる頭脳は不敏活となり、ただ資本主義的機械生産の要求を充たす為の致命的隷属化を強いられているのみである。
 かかることは工場内における青少年男女労働者をして虐待酷使の甚だしきものと言わざるを得ない。故に本案を提出し、これが廃止運動に努力するものである。
実行方法
 一、大会の名において決議文を作成し、委員数名を選出して政府当局に迫ること
 二、大会の名において決議文を作成し、紡績聯合会並びに化学工業の資本家に警告すること
 三、関東労働組合会議に提議し、全国の労働組合と協力して積極的廃止運動を開始すること
 四、本年のメーデーにおける標語とすること
 五、青年同盟とも提携して運動を進めること
 六、争議の際の要求条件とすること
 七、あらゆる会合を通じての闘争題目とし、労働階級の積極的運動を起さしめるよう、他方社会的輿論
を喚起すること

2、寄宿舎制度撤廃運動に関する決議案
決議
 本大会は、現在我が国資本主義制度のもとにおる極端なる搾取の手段であり、人身売買に伴うところの監禁制度である強制的寄宿舎制度の撤廃を決議し、之が現在の情勢に基づく具体的運動を期す
理由
 現在我が国における寄宿舎制度は、広くその範囲を繊維工業に見る。しかもその多くは婦人労働者にして、したがってこれが為に婦人労働者の組合運動がいかに妨害されているかは、我々にとっての現下の重大事である。殊にこれに対する我らが従来の態度は、極めて消極的であったことを反省しなければならない。
 無産階級解放運動を目標とする我々は、その歴史的進行に伴う婦人労働者の重大なる役割と、過去に遂行した歴史的事実を忘れてはならない。
 我々は、飽くなき搾取と一切の社会的罪悪を抱蔵する監禁制度の下に、婦人労働者をして長くその隷属化に置かんとする強制的寄宿舎制度に反対し、翻案を提出するものである。
実行方法
 一、資本家並びに政府に対して、之が撤廃運動を不断に試みること
 二、無産階級共同戦線の政治的題目とすること
 三、争議の際の要求条件とすること
 四、あらゆる会合を通じての闘争題目とし、労働階級の積極的運動を起さしめるよう、他方社会的輿論
を喚起すること
 五、現在ある寄宿舎を労働組合管理の下に置かしむべく、日常闘争を通じて努めること

3、臨時雇用制度撤廃運動に関する決議案
決議
 本大会は臨時やといの名によって労働者を安い賃金にて雇い、また解雇を資本家の自由勝手ななさんとする所の、労働者にとって最も不利であり、資本家の好手段たる臨時雇用制度の即時撤廃を決議す
理由
 臨時雇用制度の特に弊害として一般に認められている点は、次の諸点である。
 (一)解雇の場合及退職の場合における何等の手当を獲ることができないこと。
 (二)傷害及疾病の際においてその手当を獲ることができないこと。
 (三)臨時雇用者は常に解雇の不安を痛切に感じているがゆえに、組合を組織するに非常な不便ほ感じること。
 臨時雇用制度は以上のごとく労働者に不利益を与えるものなるがゆえに資本家には最も都合好き方法である。そこで現在各所の工場に行われているものである。川越においては特に富士紡、味の素、明治製菓等において代表的に行われている。我々は一般にこの悪制度に反対するは勿論であるが、特に全勢力を挙げて此等の工場における悪雇用制度の撤廃を提案するものである。
実行方法
 一、メーデーにおける標語とすること
 二、日常闘争の要求条項とすること
 三、本大会において十名の特別委員をあげ、臨時雇用制を実施せる工場に撤廃方を交渉せしめ、これを継続すること
 四、臨時雇用制度を実施せる工場の職工大会、演説会を開かしめ、この問題について論議せしめること

以上



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