耳の神様のところのお掃除を終えてお詣りをしてからお大師さんのところへ連れて行ってもらった。初めて母に場所を教えてもらったがお山の神様のところから歩いてすぐ近くだった。そこに向かう時に鷲が何度も旋回していた。その場所には沢山のお地蔵さんと御神体と思われる大きな石とお大師さんの像をお祀りしていた。何度も田舎には来ているのに知らない場所が次々と出て来る。
耳の神様、金毘羅様、恵比寿様の山々がある村に入る入り口にお大師さんをお祀りしている。それをみて空海さんもきっとこの地へ足を運んだんだと思った。
それから従姉妹をはじめて金毘羅様と恵比寿様がいらっしゃる山へ連れて行った。本当に空気の澄んだ美しいところだねと喜んでくれた。どうして、こんな素敵なところからおろしたりしたんだろうと従姉妹は言いながら一緒に木々を除け掃除をしてくれた。
縄と紙垂を持って来ていたから御神木と祠にしめ縄をつける作業を一緒に手伝ってもらった。少しづつだけどお宮さんらしくなって来ている。今までに増して光を感じる。木漏れ日しか入らない山頂なのに眩しいばかりにキラキラしている。耳の神様、金毘羅様、恵比寿様の土地が光っている。村中が光っている。龍神様も沢山いる。そんな感じがした。
その日は不思議と村の人に沢山会った。立ち話だったけど神様の事をやっと村の人に母の口から伝える事ができた。私が撮った御神氣溢れる写真の数々を村の人にみせてあげ神様はおりておらず、ずっと山の上にいらっしゃる事、荒神様である耳の神様のことを伝えてあげる事ができた。
村の人が私達も行っていいかしらと言うので母がもちろんよ、村の人が行かんでどうする、凄いところなんで皆んなでお詣りせんといかんよと興奮して話ていた。
母と二人だけでもいいからお詣りしようとはじめた祠建立だったが、とうとう村を巻き込んでしまった。