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お山にお宮がたちました

四国八十八箇所お遍路 第三十七番札所 岩本寺

第37番札所岩本寺へは横浪スカイラインを通って行きます。こちらは高知のリアス式海岸ともいわれます。
展望台から眺める景色は雄大で、空と海が繋がっていて、この景色を空海さんもみたのかなぁと感慨深く眺めました。



岩本寺は最後の清流と謳われる四万十川の中流域にあたる高知県高岡郡四万十町(旧窪川)にあります。

四国霊場で唯一五仏の御本尊であることでも有名です。
岩本寺は、天平年(729~749)の間に、聖武天皇の勅願により信頼の厚かった高僧、行基が開基しました。
行基が、七難即滅、七福即生を祈念して、現在地より北西約3㎞の付近にある現在の高岡神社(仁井田明神(にいだみょうじん))の傍に建立したと伝えられる末寺七ヶ寺をもつ福圓満寺がもともとの三七番札所だったのです。
七難…太陽の異変、星の異変、風害、水害、火災、旱害、盗難
七福…寿命、有福、人望、清簾、威光、愛敬、大量

空海さんがこの寺を訪ねたのは弘仁年(810年〜824年)の間でした。
 空海さんは一社に祀られていた仁井田明神のご神体を五つの社に別け、それぞれの社に不動明王像、観音菩薩像、阿弥陀如来像、薬師如来像、地蔵菩薩像を本地仏として安置しました。
 空海さんは、このご神体にさらに末寺五ヶ寺を建立したのです。つまり高岡神社には5つの社殿があり、それぞれに仏像が祀られていました。
それを岩本寺に移動させた時に、五体全てを本尊としたため現在のように五仏の御本尊となったわけです。





お大師様の前にも蓮の花が咲き誇ります。

岩本寺には7不思議があります。
「岩本寺の七不思議」は、周辺に生息している、動植物に関するものが多いのが特徴です。
 
①「三度栗」(さんどぐり)
「1年に一度ではなく、何度も栗を食べたい」。栗の木の前で、こう願う子供がいました。これを聞いたお大師様が、その子供の願いを歌に詠むと、驚いたことに、栗の木が変貌します。
まず、木の高さが低くなり、イガは柔らかく、そして、その実が甘くなった上に、年に3度も実をつけるようにいなりました。この栗の木は、「三度栗」と呼ばれています。この木は、今でも境内に残っています。
 
②「子安桜」(こやすざくら)
あるとき、桜の木の下にいた妊婦が、急に産気づきました。
お大師様が、加持祈祷をして無事に出産できたことから、この木は、「安産のお守り」として信望されています。
 
③「口なし蛭」(くちなしひる)
岩本寺裏の湿地には、口のない蛭(ひる)が生息しているといわれています。
その理由は、田植えの度に、村人の血を吸う蛭の口を、お大師様が封じたため。この蛭は、「口なし蛭」と呼ばれています。
 
④「桜貝」(さくらがい) 
岩本寺近くの浜には、「桜色の貝」が多く生息しているといわれています。
この近くの浜に、桜の木を植えたお大師様が、数年後に訪れたとき、桜の花が既に散ってしまっていたといいます。
これを、残念に思ったお大師様が、その心情を歌で詠むと、たちまち、貝が桜色に変わり、お大師様を慰めました。この貝が、桜貝です。
 
⑤「筆草」(ふでくさ)
美しいお月さまに感嘆した、お大師さまが、思わず筆を月に向かって投げると、その筆が落ちたところから、生えてきた草が「筆草」です。この草を持っていると、字がうまくなるといわれています。
使えなくなった筆を埋めた場所から、草が生えてきたという説もあります。いまは、この草は絶えてなくなっているそうです。
 
⑥「尻なし貝」(しりなしがい)
お大師様が、伊与木川を渡ったとき、貝の尖った部分が、足の裏に刺さりました。
そこで、「人々がケガをしないように」と、お大師様が呪文をとなえ、貝の尖った部分(尻の部分)を取り去ったといわれています。
実際、足の裏を傷つけたのは、お大師さまではなく、村の娘という説もあります。
 
⑦「戸立てずの庄屋」(とたてずのしょうや)
泥棒に家を荒らされた庄屋のために、お大師様が祈祷をすると、この家には、二度と盗人が入らなくなりました。戸締りの必要がなくなったことから、「戸立てずの庄屋」といわれています。
 
 岩本寺7不思議紹介ページより



色々な伝説があるのですが、印象としては、カラフルで可愛い感じです。可愛さとお寺ならではの荘厳さとがあり素敵でした。

こちらが本堂です。

天井画が有名とのことを教えてもらっていたので楽しみにしていました。それはそれは見事でした。
絵も、宗教的なものから、自分のお婆ちゃんを描かれたのかなぁと思われるもの、猫や能面などなど、じっくり観たら本当に楽しめます。
外も中も見所満載といった感じです。



御本尊 不動明王、聖観世音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩の五仏

本尊真言 おん あみりた ていぜい からうん
 おん ころころ せんだりまとうぎ そわか
 おん あろりきゃ そわか
 おん かかかびさんまえい そわか
 のうまく さんまんだ ばざらだん せんだん まかろしゃだ そわたや うんたら たかんまん

ご詠歌 六(む)つのちり五(いつ)つの社(やしろ)あらわして ふかき仁井田(にいだ)の神のたのしみ

こちらでお経を唱えました。



鐘楼です。若者が撮影をしていました。

岩本寺の境内で一番古い建物といわれているのが大師堂です。ここは三七番札所「奥の院」も兼ねており、矢負地蔵が安置されています。

昔この地にいた信心深い猟師が、獲物が見つからず、これ以上の殺生は無益と思い自分の胸をその矢で射たそうで、意識を失ったあとに妻に起こされ、そばを見ると矢の刺さったお地蔵様が倒れており、お地蔵様が身代わりとなって命を救ってくれたと、地蔵菩薩をこの寺に手厚く祀ったのがこの矢負地蔵だそうです。

聖天堂です。
こちらには歓喜天様が祀られていました。歓喜天様はインドの神様ガネーシャのことです。


可愛い参道です。



蓮の花が咲き誇り、岩本寺の可愛さに花を添えていました。一年のうちたった4日間しか花を咲かさないという蓮の花。
咲いてくれててありがとうございます。




山門にはポップな絵が!


ベンチも可愛い。

仁王門の金剛力士堂がバイバイといって見送ってくれました。笑


古いものを大切にしながら新しいものを取り入れているお寺でした。高校生か大学生の集団が何かの撮影をしていました。幅広い年齢層への関心を集められるよう、がんばられているのですね。
お詣りさせて頂きありがとうございました!












コメント一覧

スーさん

こんばんは!
スーさんに教えてもらってから、とても楽しみにしていましたけど、その期待を大きく上回りました。

天井画は眺めるだけでとても楽しくなりました。
全部をゆっくりみたかったのですが、沢山ありすぎて。笑

本堂の中も見所沢山でしたが、外も可愛らしさと奥ゆかしさがあり楽しめます。

仰向け良いですね。笑笑
広いから、真ん中で仰向けになりたいものです❣️
ありがとうございました。
スー
こんにちは。
天井画、見上げていると、首が痛くなりそうですね。
不謹慎ながら、仰向けになって上を見たいものです😀
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