小・中学校(小さな町であったので、小中学校二クラスしかなく同級生はほぼ同じ)の同窓会の案内が来た。十年ぶりくらいかもわからない。しかし、私は内向的な性格で学校生活にもなじめず孤立していたと思うので、そもそも同窓会に出席して人と話をすることにストレスを感じるし、退職してからは逼塞に近い状態にあるしするので共通の話題が見つかるとも思えない。また、会場も公共交通の不便な場所でもあって、そこに行く手段もタクシーなどを利用する以外に無いかと思ったので、早速欠席の返事を出した。同級生といっても、過去に、偶然顔を合わせるような機会があっても、双方が判らないくらいお互いに老けている。そんなときは、懐かしいようでもあり、心の古傷が痛むようでもある。
心の傷が痛むといえば、ジャニーズ事務所の会見で代読されたジュリー景子氏の手紙を見ると、相続した財産を全て被害者への補償等に充てて、ジャニーズ事務所を廃業する決意のようである。ジュリー氏についても、ジャニーの性加害を黙認してきたとして責任を問う声もあるが、この手紙を信ずるとすれば、ジュリー氏も被害者の一人であるとも思われる。ジャニーズ事務所の財産がどれほどあり、被害者補償と相続税を支払って幾ら残るのかは知らないが、例え幾分かの財産が残るにしても、ジャニー一族であるという世界的な汚名は一生ついて回ることとなる。その意味では、彼女こそ、最大の被害者であったのかも知れない。岡田准一が、早速、事務所を退所するとの意思を表明した。彼のように名前と実績のあるタレントであれば独立しても充分やっていけるだろうが、ジャニーズの一員であるとして下駄を履かせてもらっていたようなタレントには厳しい状況が待っていることだろう。異性関係でトラブルを起こしても揉み消してくれるような事務所はもう無くなるし、実力のみで生き残れるタレントが果たして何人いるのだろうか。キムタクですら危ういかもしれない。新事務所にしても、今までのファン頼みという面が大きいだろう。
何か、世の中が、今まで、「なあなあ」で済ませていたようなものや、綺麗ごとで包み隠していたようなことが、危機感を伴って現実的なものとして直面させられつつあるような気がする。人口減少による運送業や建設業の問題、公共インフラの老朽化、増え続ける空き家問題、親族間の深刻な争いの増加など数えればキリがない。岸田内閣は、衆参両院の圧倒的な議員数を背景にして、安倍内閣などの時に避けて来たような課題を、官僚達からすると合理的な観点から、次々と法案を通過させて実施して行こうとしているように見える。野党が圧倒的に弱いせいもあり、マスコミも政府・与党に忖度して問題視しないこともあって、本当は国民生活に直結するような問題が、いとも簡単に決まっているようでもある。買い物に行っても、昔からすると高い物価が当たり前のような気すらしている。老後2000万円問題というのが少し前にあったが、今や、2000万円くらいで余裕のある老後が送れると考えている人が何人いるのだろうか。本当は、余裕がある老後の暮らしには、その数倍はいるだろう。大企業は儲けても、国民は確実に貧乏になっている。百年安心と言っていた年金制度も安心出来ない。