別に日本保守党の提灯持ちをするつもりはないし、彼らの言っていることが全面的に正しいとは思っていないが、百田氏の街頭演説など聞くと、一理あるかなと思うのは、例えば、自民党・公明党連立政権は、二世三世議員が多数を占めていて、家業としての政治家をやっていて、口では常に立派な事は言ってはいるものの、給与所得者の実質賃金が過去30年間にわたって増加しなかったことや、消費税増税があるたびに景気が落ち込んできたことなどは、百田氏の指摘の通りであるし、与党は、拉致問題の解決を何十年も政治課題として言ってきても何等解決がされていないし、また、相変わらず中国などに弱腰であることも事実だし、中国資本などが我が国の山林や無人島などを購入することに対する法的な規制を作るということもしていない。確かに我が国における、私的財産権が極端に強いという憲法上の制約はあるにしても、政治家がやる気さえあれば民法などの改正は可能なはずで、中国で日本人に認められていないことは、我が国でも中国人には認めないということでの外交上の相互主義は、国際法にも合致することだと思うが、何らかの利権に障りがあるのか、それとも単に弱腰なのか、自民党・公明党政権では一向になされていない。LGBT法案にしても、強硬採決をする前に、例えば、ジャニー喜多川氏の同性相手の強制わいせつ、児童虐待行為が、何故 、警察で立件しようとしなかったのかを明らかにして欲しかった。確かに一定の性自認を持つ人達がいることは認めざるを得ないし、その人達の人権に配慮すべきだと思うが、かといって、国民の間で議論が熟していないのに同性愛者だけの利益に資するような法案はどうかと思う。警察では、鶏姦などについては手口分類上は存在を認識していたはずなのに、ジャニー氏の行為が警察沙汰になったことが一回でもあっただろうか。同性間でそのような行為があるはずが無いという先入観に捕らわれていなかったのだろうか。それとも、ジャニーズ事務所という政治家とも関わりのあるものに対する介入を嫌ったのだろうか。LGBT法案を議論するに際しては、例え同性間であっても不同意性行罪は成立するし、特に、男性間の強制的な、或いは、児童に対するそのような行為があるという事実、そして、それを如何に防止するかという議論も同時になされるべきだったと思う。
日本保守党の、保守とは、国民を守るというものだという主張には賛成で、我が国が太平洋戦争に突入するに際して欠けていたのは、その思想ではなかったのかと思う。その当時は、右翼や軍部が国民を煽り、それに対して政治家には力が無く、天皇は軍部に反する態度に抑制的であり、新聞などのマスコミも迎合して国民を煽った結果、極めてリスクが大きく、国民の犠牲も大きいことが判っている、あの戦争に、一億玉砕などという一種の神がかり的な精神論で突入していき、国民の多大な犠牲、北方領土など国土の喪失と外国軍隊による国土の占領という、我が国の歴史に類を見ない極めて惨めな敗戦を迎えたのだった。そして連合国との講和後に、ようやく独立を達成したものの、その対価として、日米安保条約では、日本国内に米国軍の存在を認め、その後の一部改正で、有事の際の米国の日本防衛義務を定めたものの、聞くところによると、当時の外務省高官と米国との間には秘密協定があり、そのせいで、仮に北方領土が日本に返還されたとしても、米軍から要請されれば北方領土に米軍基地を置くことを断ることが出来ず、その為に、北方領土に対する日ロ交渉が成立しないという。自民党は、口では、北方領土返還をロシアと交渉するとは言いながら、ロシアが絶対に飲めない、返還された北方領土に米軍基地が置かれかねないという秘密を国民には明らかにはしていない。まさに、立派なことを公約しても実効性が全くないという、自民党政治の本質を示している。
自民党は保守政党であるというが、70年前に米占領下で成立した憲法を、未だに一項目でさえ全く変えないという、諸外国にも例を見ない、憲法聖典思想に立っているのではないかという疑いもある。もし、そうで無いというなら、今なら、国会の議席で絶対多数を占めているのであるから、せめて、自衛隊の存在を認め、侵略された場合の交戦権を認めるための憲法改正の発議をすべきではなかろうか。それを、しないという口実のみを述べるだけでしないというなら、そんな政党に保守を名乗る資格はないと考えたい。百田新党は、今のところ欠陥だらけで、いつ消滅してもおかしくないとは思うが、上級国民を守り、自らの議員利権を守ることを目的としたような政党との対立軸としては、一定の存在意義があると信じたい。