どこまで行けるか80歳

崖から突き落とし。這い上がれるのか

林真理子の新聞小説

2016年05月11日 | 楽しい後期高齢生活のために
新聞小説を読んだことがない。ちまちまと毎日読むのはいらいらするからだ。

が、このたび始まった林真理子の連載を読み始めた。

仕事と家庭を持った女性の親がボケるという設定である。

夫とその親も嫁が実の親の介護をする事にいやみをいい、拒否するという話なのだが、主人公の気持ちがきめ細かにかきこまれていて、眼がはなせなくなってしまった。

こういうリアルな話は、読み物として私はきらいなのだが、この連載はリアルであればあるほど読んでしまう。

私自身は親の介護もおわり、今は欝になった妹の介護中だが、嫁でも妻でもない私にとって半分どうでもいいことなのだが、気がついたら身をのりだしていた。

人はみな老いやボケを、我が事としてまだまだ把握していない。

脇役である夫や姑をみながら私は思う。

今死なない限り、あんたはすぐに老いる。あんたも、あんたも、あんたも。

老いがどんなものか、もっともっとよくみつめなければいけないのではないだろうか。

私は我が親の最後に際して、兄弟がどのように振る舞い、亡くなったあと、どうなるのかを、常識どうりにみとどけた。

どこもみな同じだが、当事者にとれば、初めての出来事、晴天の霹靂となる。

おわれば、嵐が去ったあとのように、ウソかと感じるものである。