ウドを探した

　家の裏山にウドが5、6本だけど植えられている
　多分　祖父が植えたものだろう
　その場所が　いつも分からなくなる
　昨年は　気がついたときは伸びすぎて採ることができなかった

　隣の92歳のおばさんに　そのことを言ったら
　「私が探してみる」と言って
　後日　「見つけたよ」と知らせてくれた

　
　さすが山菜採りが大好きで昔はよく採りに行ったというだけある
　枯れた太い茎があってそこに芽を出すから分かるのだと教えてくれた

　よく分からない私は　芽を踏んづけてしまい折ってしまった
　おばさんは「あらあ」と言い残念な顔をしていた
　私は（ウドに）申し訳なく思い　折れたウドを土に差した

　おばさんは「そんなことをしても生えてこないよ」と言った

　私は心の中で「なんぼ　私でもそれくらいは分かるよ｣と言って
　笑った　おばさんも笑った

　92歳からみると　私など何も分からない子供なのだ

　あと1週間後くらいに　おばさんを誘ってウドを採ろう！

　温かくて優しい風が吹いた　5月の日のことです

　

　　７