1031ビジネス・コンサルティング

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イノベーションについて

2014-05-02 11:27:32 | 独り言
本日の日経新聞経済教室の欄に、一橋大学の延岡健太郎教授の「市場より顧客価値重視を」という記事が掲載されていました。
普段小生が講演会などでお話しする商品の「機能的価値」と「付加的価値」の中で「付加的価値」を先生は「意味的価値」と説明されています。
機能的価値が客観的な商品の機能や使用に関する価値だとすると、先生の言われる「意味的価値」は顧客が主観的に意味づける価値とされ、消費財でいう使いやすさ、持つ喜びなど商品の持つ機能や仕様では決まらない価値と表現されています。
ニュアンス的に小生のいう付加的価値とは若干異なりますが、シンプルに機能を分ける同じような考え方に驚きました。
記事の中で意味的価値を消費財に関して先生は、広義の「デザイン価値」と再定義されています。
デザイン会社を創業した小生の考えとその点では一致します。
先生は「顧客価値」を①見る(意匠)②使う(ユーザーインターフェイス)③所有する(商品全体のコンセプト)の3つの視点からとらえらており、小生が強調したい商品の表現される部分の価値と似ています。
顧客価値には顧客がその商品に対して払う商品の価格だけではなく、買うために費やした時間的な価格(価値)も含まれます。
そうした総合的な商品の価値が顧客にとっての価値になっていると考えられ、先生が記事の中で強調されている、「機能的価値」の優先だけではなく、意味的価値であるデザイン力に磨きをかける重要性を説かれる部分は大いに賛同できる部分です。
モノづくりの支援を行いながら、企業にとって一番欠けているのは、そうした「顧客価値」の見方です。
機能面には企業や生産者は注力しますが、付加的な面、先生の言う意味的価値の部分に関してなかなか理解が及ばない面があります。
一度この記事を読まれ、少しでも「顧客価値」とは何かを理解していただき、自社の商品のブラッシュアップに活用していただければと思います。
小生は先生の言う持つ喜びや使いやすさはどちらかというとまだ機能的価値だと思っています。
その商品を表現するその商品のデザインそのもの、ブランド、シールやパッケージなどそうしたものを含めて小生は付加的価値と表現しています。
機能をどうデザイン化するか、そしてその商品をどのように消費者に表現するか、作られた後の総合的な活動が顧客価値として共感を求める付加的価値創造の活動と考えています。
言葉の定義も重要ですが、機能以外の「価値」とはどのようなものか、ぜひ考えてモノづくりに活かしてほしいものです。
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