高橋のブログ

不定期に..

【2017.9.3 小澤征爾音楽塾.ラヴェル「子どもと魔法」を聴く】

2017-09-04 21:58:12 | 日記

松本市民芸術館。

フランス語上演(日本語字幕)

子ども:マリー・ノルマン、火・うぐいす:アナ・クリスティ 他

演出:デヴィット・ニース、衣装:サラ・G・コンリー

指揮:デリック・イノウエ

合唱:セイジオザワ松本フェスティバル合唱団、同児童合唱団

管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ


毎年オーディションで選抜、構成される小澤征爾音楽塾も今年で17年目。

小澤さん自身が、学生時代、全く知らなかったオペラを若き音楽家の卵達に学ばせたいという強い気持ちに多くのスポンサーが賛同、
サイトウキネンフェスティバル(現セイジオザワ松本フェスティバル)に組み込まれ、また冬に東京等でのオペラ公演も行うようになりました。

ただ、私はこの塾が出来た時、これは小澤さんが学生相手に自身のウィーン国立歌劇場での演目練習の為に企画したのでは?と思う部分もありました。
しかし小澤さんがウィーンを離れても小澤塾の活動は継続。大病後は更に音楽への純真な気持ちが募り、学生への指導も熱意を帯びてきたように思えます。
今年の小澤征爾音楽塾ですが、ヴィオラ、チェロは日本人は各1名のみで驚き。
これは、他国の学生に少し優先的に経験を積ませようとしたのかもしれません(ヴァイオリンは22名中、日本人は16名)。
金管ではTp、Trbは日本人女性のみでした。

1F中央席には小澤さん等が着席。
演奏ですが、オーボエ(1st)が少し不安定で大丈夫か?と思いました。2nd奏者がとても上手く、この子が1stをやれば良いのに!と終始感じました。

全体では、後半の魔法の庭になってからが、ラヴェル特有の音楽がとても強く表れてきて、また弦の音色、音程も良く、「音楽家の卵」達とは思えないほど
高い次元になってきたように思えました。最初からこの位で演奏出来ればもっと良かったと感じるほど。
最後の「マ~マ!」を頂点に持っていくというそういうスタイルは、昨年同様。

さて演奏以外で去年と同じ演出等に少し文句を(^^;)。

子どもを演じたノルマンの歌唱は見事でしたが、衣装が子どもっぽくありません。
これは衣装担当のコンリーの案でしょうが、幕が上がると、白いシャツに黒ズボンの何というか、オジサンがベッドでそのままゴロ寝しているというか、そんな感じ。
子どもなら、もっと子どもらしい服装を考えて欲しいなぁと強く思いました。

母親が宿題をしない子どもを怒る場面では、ドア付近に巨大な母親の上半身の人形が現れ、子どもを威嚇するように動きますが、その方向とは違うところで、
母親本人がステージ上で子どもに対して怒ります。子どももその母親を見ながら演じるわけで、その巨大な人形は何なのか?とも思いました。
別に不要では?とも思うのですが、子どもの心情を示したかったのか?ニースのオペラ演出はこれに限らずいつもなんかよくわかりません。

子ども役の衣装外にもトンボ役の衣装は銀紙?を全身に貼り付けたようなギラギラ派手なもので、小林幸子or美川憲一か?。トンボには見えない。
また、もっと問題なのは、例えば、りす役は、手にりすの人形を持って演じたということ。カエルもトンボも同じような感じ。
人間がりすを持っている(捕まえている)ように見えました。ぬいぐるみの予算がないのか?いや、そんなことはないでしょう。
東急ハンズで買うとか、作れるでしょう。

このOMF公演での「子どもと魔法」は一般公演は1回、あとの6公演は小中生対象です(冬の東京等の公演は、一般向けのオペラ)。
この夏公演はあくまで子供達へのオペラ入門が目的かと思うので、そのあたりの配慮もほしいところ。ただオペラ入門で「子どもと魔法」はどんなものか?とも思いますが、
長いオペラは大変ですし。同じ位の時間となると「青ひげ公」とかでは子どもにはもっと厳しい..。「ヘンゼルとグレーテル」ばかりというのも...。

字幕も少し中学1年生には難しい(この前の小学生公演ではもっと難しかったかも)。

「肘掛椅子」「安楽椅子」というよりは「黄色のイスさん!」とかの方がしっくりいったかも。
子どもによっては「肘掛椅子」って、読めないけどなんか女の子の名前??みたいに感じるかも。
これはほんの一例ですが、使われている漢字や語句表現がが少し難しかったです。

いや、本当のオペラを見せるのだ!子ども相手でもレヴェルは下げるな!ということかもしれませんが、字幕、演出、衣装はもう少しわかりやすい方が...。


今回、私の後ろの客席には、元気なお母様達。開演前...、

「ほら、あれ見て!!映画みたいに、字幕出るのね!!イタリア語だから」..(@@;)。

塾生代表の「皆さん、こんにちは」というアナウンスに「こんにちは~!!」って大声で返すし、ドリフかよと。

「あの鈴を鳴らす女」はいませんでしたが...。
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