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「日本は無条件降伏した」という噓

2022年02月01日 | 日本
この章は、「歴史が証明する日本の力」について、お伝えします。
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また、誤った戦後教育のせいで、「日本はポツダム宣言を受け入れ、無条件降伏した」と思っている日本人が少なからずいるようです。しかし、それは大きな間違いです。

ポツダム宣言は全部で十三条からなっていますが、その十三条目には次のように書かれています。
「我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める」

我々とは、アメリカ大統領のトルーマン、中華民国主席の蒋介石、イギリスの首相チャーチルのことですが、これを読んでもわかるように、連合国は「日本の軍隊」に無条件降伏を求めたのであり、決して日本という国自体に無条件降伏を求めたわけではなかったのです。

ところが、マッカーサーは日本に乗り込んでくると、まるで支配者のように振る舞い、「日本政府が無条件降伏した」という偽りのプロパガンダを行ないました。
それに力を貸したのが、日本のマスコミや学者たちでした。その結果、今でも「日本はアメリカに無条件降伏した」と信じている人が多いのです。

実はこの話には前段があります。
ポツダム宣言が日本に対して発表されたのは1945年7月26日のことですが、その内容について、ベルリン郊外のポツダムで、アメリカ大統領のトルーマン、イギリスの首相チャーチル、ソ連共産党書記長のスターリンの三者間で話し合いが行われたのは、ドイツが降伏した後の7月17日から8月24日にかけてのこととされています。

しかし、実はそれより前の1943年1月14日には、当時アメリカ大統領だったルーズベルトが、モロッコのカサブランカでチャーチルと会談、枢軸国(ドイツ、イタリア、日本)に対して無条件降伏を提案していたのです。

それは、前年の1942年に米英軍が、親ドイツだったフランスのヴィシー政権が支配していた北アフリカへの上陸作戦(トーチ作戦)で、ヴィシー政権と裏取引して休戦協定を結んでいたことが露見していたからだとされています。

そのときのヴィシー政権軍の司令官がフランス国内でのユダヤ人迫害にかかわっていたため、「ルーズベルト政権はこともあろうにファシズム勢力と妥協した」とアメリカ国民から激しく責められていました。それを回避するために、無条件降伏を求めるという強い姿勢を示す必要があったというわけです。

つまり、ルーズベルトの極めて個人的な理由で、無条件降伏という文言が入ることになったのです。

それに対して、チャーチルは非常に驚き、「国家に対して無条件降伏を要求することは失礼極まりない。それでは歴史がモンゴルの時代に戻ってしまう」、また、「戦争の終結が無条件降伏しかないとなるとドイツと日本は敗戦濃厚となっても敗戦という決断は取らず、戦争の継続を突き進む可能性が高い。そうなると弊害のほうが大きい」と反対しています。しかしルーズベルトはチャーチルに了解を得ることもなく、独断で記者発表して既成事実化させてしまいました。

実際、ドイツのヒトラーはそれを拒否、戦争を継続することを決め、1945年4月30日に自殺してしまいました。そのとき、ドイツの中央政府はヒトラーと共に消失してしまいました。

そのドイツの中央政府に代わって大統領に指名された海軍総司令官カール・デーニッツ元帥は新たな政府(フレンスブルク政府)を組織、ドイツ新政府は5月7日に降伏に応じます。しかし、それはあくまでも軍としての無条件降伏でしたし、それは世界が認めたことでした。ちなみにイタリアも5月4日までに軍としての無条件降伏を受け入れています。

ところがマッカーサーは、前述のように嘘をついて「日本政府が無条件降伏した」というプロパガンダを行い、日本国民を完全な支配下に置こうとしました。

そのようにアメリカは腹黒いことをする国だということですが、日本は占領された後、アメリカの言いなりになる傀儡(かいらい)政権をつくるようなことはせず、GHQが押し付けてくる様々な要求をはねのけて直接統治されることはありませんでしたし、植民地として経済的に搾取されることも防ぎました。

そして、1951年9月8日にサンフランシスコ講和条約を締結し、1952年4月28日の発効で主権を取り戻したのです。
(日下公人著書「『日本大出動』トランプなんか怖くない(2016年6月発刊)」から転載)

---owari---
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